「最後までやり通せた」 石川遼が和合で“初日自己ベスト”スタート

石川遼は「66」でプレーした(撮影/大澤進二)

◇国内男子◇中日クラウンズ 初日(2日)◇名古屋GC和合C(愛知)◇6557yd(パー70)◇晴れ

370ydと距離の短い後半6番、石川遼はフェアウェイ上で迷いを断ち切った。直前の5番でバウンスバックに成功。PWを手にして、さらに伸ばせるチャンスが来たと分かっても、事前のプランを崩さなかった。

ピンからグリーン左のエッジまで3ydしかない。ショートサイドには厄介なバンカーが口を開けている。「連続バーディが(頭に)よぎりますけど、かなり難しいピンだと分かっていた」と一気に攻め立てたい気持ちをしっかり制御。「頭で右から勝負しようと思っているのに、それができないのが一番やりたくなかったこと」。狙い通り右5mに付けた後、パターで流し込んで4つ目のバーディを奪った。

充実感がにじむ(撮影/大澤進二)

最終9番は左奥から下り3mのスライスラインにタッチを合わせてバーディフィニッシュ。5バーディ、1ボギー「66」の出来にはスコア以上に内容への充実感がにじむ。小さな砲台グリーンは晴れ上がった空の下で硬くなり、雨だった前日から難度を上げた。「自分をコントロールすることは意外と難しい。しっかり割り切ってできている。『ここはもうパットで勝負するしかない』という状況で、やるべきことを最後までやり通せた」とうなずいた。

この日のバーディはすべてパー4で決めた。「パーが支えてくれたスコアでもある」と振り返る。開始2ホール目の11番ではマウンド越えのバーディパットを3m近くオーバーさせて、返しをなんとか沈めた。1Wショットを左の林に打ち込んだ15番(パー5)は、レイアップから180yd近い3打目を残してパーオンさせた。

ツアー19勝目へ好発進(撮影/大澤進二)

前半のガマンが実り、折り返しの18番で5mのチャンスをやはりパットで生かして後半に繋げた。「やっぱりバーディを獲るだけでは良いスコアは出ない。先週(ISPS HANDA選手権)は2日目に6バーディ(2ボギー2ダブルボギー)でイーブンパーだったので…」と予選落ちした5日前を思い、苦笑して言った。

初日4アンダーは2009年、14年と並ぶ第1ラウンドの自己ベストスコア。「飛距離がすべてではないコース。あしたも自分の強みを生かしてやれたら」と優勝争いが期待できる位置で滑り出した。10年には最終日にツアー最少ストロークの「58」をマークして逆転優勝し、昨年まで2年続けてホールインワンを達成した大会。「運に恵まれている」と言ってはばからないコースで、地に足のついたプレーによる好発進だ。(愛知県東郷町/桂川洋一)

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