「日米珈琲」が元町商店街に直営喫茶店オープン 多彩なコーヒーに自家製プリン 内装は昭和レトロ

喫茶店「ゴールデンカップ神戸」のレトロモダンなカウンター席

上質なコーヒーとノスタルジックな空間をゆっくり味わって―。老舗コーヒー卸の「日米珈琲」(神戸市灘区)がこのほど神戸元町商店街の元町通3丁目に直営喫茶店「ゴールデンカップ神戸」をオープンした。多彩なコーヒーのほか、「ナポリタン」「自家製プリン」など、昔懐かしいメニューを提供。昭和レトロな内装とあいまって、多くの客が訪れている。

【写真】昭和30年代、神戸市中央区にあった喫茶店「ゴールデンカップ」

日米珈琲は1932(昭和7)年創業。輸入コーヒー豆を焙煎(ばいせん)加工し、全国の喫茶店やレストラン、ホテル、官公庁などへの卸売を主に事業展開してきた。同社の北浦正英社長によると、コロナウイルス禍で売り上げが一時大幅に減ったことから、多角経営へと方針を転換。今回の出店を決めたという。

店名の「ゴールデンカップ」は、日米珈琲の歴史と深く結びついている。1954(昭和29)年、同社として手掛けた第1号の商品名で、昭和30年代、創業者の笠森千五郎さんが神戸市中央区に初めて開いた直営喫茶店も同名。新店開設にあたり、創業以来受け継がれてきた「上質なコーヒーを多くの人に届けたい」との思いを込め、同じ名を付けたという。

店の特徴は、「プロによるコーヒーの提供」だ。本社1階の焙煎室で煎(い)り上げたコーヒーをはじめとする10種以上のコーヒーメニューを用意。ブレンドはサイフォン、ストレートはバリスタの手と、抽出方法にもこだわっている。客が注文に迷う場合は、コーヒーインストラクターの資格を持つスタッフが好みを聞き、客の嗜好(しこう)に応じたコーヒーの提案を行う。

食事のラインアップも幅広い。ナポリタン、オムライス、自家製プリンなど“昭和の純喫茶メニュー”に加え、店内で焼き上げた神戸ビーフ100パーセントのパテをはさんだハンバーガー、1日10個限定の本格コーヒーゼリーなども提供。型抜きしたチキンライスに“旗”が立つお子様ランチもある。

店内はカウンターとテーブル、屋外テラスの計70席。赤色のソファやカウンターに並ぶサイフォンなど、レトロモダンなしつらえに加え、各席にコンセントも設置。客が心地良く過ごせる工夫が随所に施されている。

北浦社長は「たくさんの人に来てもらいたくて、元町商店街に店を構えた。若者や高齢の人、外国からの観光客にも、昭和の雰囲気を楽しみながらコーヒーや食事を味わってほしい」と話している。

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