中国が新型油圧ポンプジャック開発、油田での低炭素生産を支援

中国が新型油圧ポンプジャック開発、油田での低炭素生産を支援

長慶油田でスマート油圧ポンプジャックを見学する中国の石油業界関係者。(4月9日撮影、慶陽=新華社記者/梁軍)

 【新華社蘭州5月2日】中国甘粛省の採油作業エリアに位置する長慶油田では現在、「お辞儀」作業を繰り返していた従来型ビームポンプユニットが姿を消し、新型のスマート油圧ポンプジャックに置き換わっている。新型のポンプジャックは、メタン排出ゼロをはじめとする技術的利点により、エジプトやインドネシアなどの油田開発・原油生産企業から注目されている。

中国が新型油圧ポンプジャック開発、油田での低炭素生産を支援

長慶油田の第2採油場に設置されたスマート油圧ポンプジャック。(4月9日撮影、慶陽=新華社記者/梁軍)

 世界各地の主要油田では現在、1500万台近い従来型ビームポンプユニットが稼働し、石油のくみ上げ作業の主力を担っている。しかし、ビームポンプユニットには原油生産時に漏れを伴う機械が多く、たびたびガスや原油成分が漏れ出し、特にメタン排出は採油作業における最大の汚染源となっている。

中国が新型油圧ポンプジャック開発、油田での低炭素生産を支援

長慶油田でスマート油圧ポンプジャックを見学する中国の石油業界関係者。(4月9日撮影、慶陽=新華社記者/梁軍)

 中国工程院の院士(アカデミー会員)で有機・高分子材料研究に携わる蹇錫高(けん・しゃくこう)大連理工大学教授は、2020年からスマート油圧ポンプジャックの開発と普及に参加している。蹇氏は、スマート油圧ポンプジャックは材料やシーリングなどの重要な技術上のイノベーションを通じて、シリンダーと坑口の直接連結を実現し、油田生産プロセス中のメタンガスの発生源からの漏れをなくしたと紹介した。

中国が新型油圧ポンプジャック開発、油田での低炭素生産を支援

長慶油田でスマート油圧ポンプジャックを見学する中国の石油業界関係者。(4月9日撮影、慶陽=新華社記者/梁軍)

 業界関係者によると、スマート油圧ポンプジャックは中国が独自の知的財産権を持っている。ビームポンプユニットに取って代わり、「新たな質の生産力(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)」を用いて石油産業の質の高い発展を加速させ、二酸化炭素(CO2)排出量の2030年までの減少転換、60年までの実質ゼロを目指す「双炭」目標を達成し、油田の原油生産のグリーン(環境配慮型)・低炭素転換を促進する上で極めて重要な役割を果たすと期待されている。(記者/梁軍)

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