犬が『足を引きずる』理由3つ 普段から愛犬の歩き方を観察しよう

犬が「足を引きずる」理由

愛犬が足を引きずるとき、「すぐに動物病院に行かなきゃ!」と焦りますよね。また、引きずっては元に戻り、また引きずっては良くなって…ということを繰り返すこともあるでしょう。

違和感や痛みがあるのではないかと疑い、なるべく早めに診てもらった方が安心して過ごせるのではないでしょうか。

お散歩の途中、「もう歩きたくない…」と、犬が足を引きずることがよくあります。(足を引きずれば、きっと飼い主が抱っこしてくれる♪)と学習してしまったのです。

心配で動物病院に行っても、結果は「異常なし」。獣医師が「仮病ですね」という診断をすることはありませんが、念のためにしばらくは様子を見てもよいと思います。

愛犬が足を引きずれば、怪我や病気なのではないかと疑いますよね。どのような理由があるのか、一緒に考えてみましょう。

1.前十字靭帯を断裂した

急に激しい運動をしたとき、前十字靭帯が断裂し、犬が足を引きずることがあります。前十字靭帯に過剰なエネルギーがかかったことが原因です。

通常のお散歩では基本的に見られませんが、ボールを追いかけるために全力疾走したとき、アジリティーの練習をしたとき、フリスビーを捕まえようとジャンプしたときに起こりやすいです。

靱帯が断裂している場合、外科手術による治療が必要になることがほとんどです。しかし、年齢や持病によっては外科手術ができず、内科的な温存治療になることもあるでしょう。

前十字靭帯断裂の外科手術には、数十万円の必要がかかる場合があります。運動不足にならないよう日頃から運動をする習慣を持ち、年齢や体重や犬種によっては急激な運動を控えるようにしましょう。

2.肉球を火傷した

夏の地面は60℃を超えることもあり、肉球を火傷した犬が足を引きずることがあります。夕方以降も日が落ちて間もないときは、地面の温度を確かめてからお散歩するようにしましょう。

アスファルトの地面だけではなく、土の地面にも芝生の地面にも同様に注意が必要です。犬の肉球はとってもデリケートです。冬も日差しの強い日は地面の熱さを確かめてからお散歩するようにしましょう。

肉球の火傷を疑うときは、保冷剤や氷をタオルに包み、肉球を冷やしながら自宅で様子を見る、または動物病院へ行きましょう。

肉球に腫れ・水疱・赤み・爛れが見られるときは、早急に動物病院へ行きましょう。

3.肉球の乾燥やひび割れで痛みがある

愛犬の肉球は白っぽくなっていませんか。白っぽく瑞々しさが失われた肉球は、乾燥しているサインです。乾燥による痒みや痛みによって、犬が足を引きずることがあります。

乾燥した肉球を放っておくと、ひび割れることがあります。痒みも痛みも強くなり、犬が足を引きずったり、執拗に舐めたりすることがあります。

お散歩の後、手足や肉球を拭きすぎたり洗いすぎたりしていませんか。肉球の乾燥や炎症の原因になります。

普段から愛犬の歩き方をよく観察しましょう。(ちょっとおかしいかも…)と感じたら、肉球の乾燥チェックをしてみましょう。乾燥して白っぽくカサカサしているときは、肉球クリームで保湿するとよいでしょう。乾燥がひどいとき、ひび割れているときは、すぐに動物病院へ行きましょう。

まとめ

犬が足を引きずる理由を3つ解説しました。

  • 前十字靭帯を断裂した
  • 肉球を火傷した
  • 肉球の乾燥やひび割れで痛みがある

愛犬が足を引きずることがあるけど動物病院でも原因が分からなかった…というとき、飼い主はずっと不安を抱えたままです。

かかりつけの動物病院では原因が分からなかったときは、セカンドオピニオンも受けてみましょう。

原因は分かっているけどなかなか改善が見られないというときは、専門医を訪ねることもおすすめします。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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