施行から77年、憲法論議が岐路 自立維、条文協議入りで攻防

衆院本会議で施政方針演説を行う岸田首相=1月

 日本国憲法は3日、1947年の施行から77年。自民党は岸田文雄首相が掲げる9月の党総裁任期までの憲法改正に向け、条文案作成の早期協議入りを要請する。立憲民主党は「改憲自体が目的化している」と反対。日本維新の会は立民を除外した改憲勢力だけで先行させるよう主張する。各党は攻防を繰り広げ、憲法論議は伝統的な協調路線が揺らぐ岐路に立つ。現状の衆参両院の憲法審査会では条文案の具体化は進んでおらず、首相目標の達成は困難な情勢だ。

 衆院憲法審は4月に議論を開始。自民は、改憲勢力の5党派が一致する「緊急事態時の国会議員の任期延長」を中心に論点を絞りながら、憲法審の幹事懇談会に協議の場を設ける案を提起した。

 立民は「論点は多岐にわたる」として、条文案を作成する段階ではないと反論。数年単位で憲法全般を見渡した議論が必要だと訴える。維新、公明、国民民主各党と衆院会派「有志の会」は自民の提案に賛同。維新は「審議を妨害するなら立民抜きで進め、多数決で原案を作成すべきだ」と要求する。共産党は護憲の立場だ。

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