“チャンスに弱い大谷”が露見…異様に低い得点圏打率、指揮官の“苦言”が裏目に出たとの見方も

(写真・AP/アフロ)

2024年5月2日、敵地でのダイヤモンドバックス戦に臨んだドジャースだったが、大谷翔平は今季初めてスタメンを外れた。

試合前、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「単なる休養だ。ショウヘイは毎日プレーしてきた。ただ、終盤に機会があれば、(代打での)出場は可能だ。2日オフを与えられれば助けになる」と翌日(3日)が移動日になることから、32試合連続で出場してきたことによる“連休”を強調した。

だが、ドジャースに帯同するベテランの現地記者は違った見方をする。

「休養も理由のひとつでしょう。でも、それ以上に大きな意味となるのが気分転換ではないでしょうか。というのも、大谷は打撃3部門で結果は出していますが、いかんせん得点圏打率が低すぎる。なので一呼吸入れて、2日後の試合から新たな気持ちでやって欲しいということだと思います」

確かに打率.336(6位)、7本塁打(5位)、19打点(13位)、OPS1.017(4位)と、軒並みナ・リーグの打撃成績で上位を占めている。しかし、得点圏打率は.184と異様に低い成績である。

実際に5月1日のダイヤモンドバックス戦でも“チャンスに弱い大谷”を露呈してしまった。初回こそ中前打を放ったが、1点を追う5回1死満塁では、フルカウントから空振りの三振。2-2の延長10回表無死一、二塁でも二塁ゴロに倒れた。

とくに延長の場合はタイブレイクでお互い無死2塁から攻撃が始まるため、複数点が欲しかったところ。それがランナーを帰すどころか、あわやダブルプレーのピンチ。結局ドジャースの後続の犠牲フライ1点止まりで、その裏に逆転サヨナラ2ランを食らった。大谷の一打が敗戦につながったと言われても仕方がないところだった。

「この試合を解説した野球評論家の小早川毅彦氏は『大谷の打席といえば積極性でしたが、この2つの場面ではファーストストライクを見逃すなど、消極的になっている感じでした』と指摘しました。たしかに大谷といえば初球からどんどん振るイメージでしたが、この試合ではなぜかそうではなかった。そこで『おや?』と同時に『もしかして?』とも思いました。

じつは4月18日のナショナルズ戦では3度得点圏で打席に入りながら、すべてで凡退しました。試合後、ロバーツ監督は『ショウヘイはとてもアグレッシブな打者だ。得点圏にランナーがいると、これまで以上に超攻撃的になる。だからその気持ちを少し抑えなければいけない。ときに投手に球数を投げさせることも必要だ』と苦言を呈しているんです。そのときのロバーツ監督の“打ち急ぎ”の苦言が気になって、初球から打ちに行く積極性がなくなってしまったのかもしれません。いま“待ち気味”になっていることが気になります」(同前)

大谷は打撃3部門で「いちばんこだわりがあるのは打点」と語ってきた。技術面では問題がないだけに、メンタル面の改善が求められる。

© 株式会社光文社