木村拓哉『Believe』は実は“そこそこ”スタート 赤楚衛二主演作の大コケの恩恵気配も過去のヒット作は超えられず

木村拓哉(C)ピンズバNEWS

木村拓哉(51)主演の連続ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系/木曜よる9時)の第2話が、5月2日に拡大スペシャルで放送される。4月25日に放送された初回拡大スペシャルは、平均世帯視聴率が11.7%(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)と好調だったが、いまひとつ盛り上がりにかけている。

同ドラマは、橋づくりに情熱を燃やす大手ゼネコン「帝和建設」の土木設計部長・狩山陸(木村)が、大人数を巻き込む事故が発生したため、刑務所に収容されてしまうという困難に見舞われながらも、決してあきらめることなく希望と再生の道を模索するヒューマンエンタメ。豪華な共演陣をそろえ、間違いなくヒットが期待できそうな作品なのだがーー。

第1話は、東京都が心血を注ぐ一大プロジェクト、「龍神大橋」の建設現場で大規模な崩落事故が発生し、工員・若松(竹内涼真/31)が亡くなってしまう。業務上過失致死傷で懲役1年半の実刑判決が出て、狩山は刑務所へ。そこに大学病院の看護師長として働く、妻・玲子(天海祐希/56)が面会に来て、狩山に離婚届を出すと告げる。

玲子は「犯罪者の妻で死にたくないの」と言うと、自分はガンだと打ち明け、もう面会には来ないと告げる。愕然とした狩山は、弁護士の秋澤(斎藤工/42)に裁判のやり直しを申し出、社長・磯田(小日向文世/70)から隠ぺいの指示があったと打ち明け、部下の南雲(一ノ瀬楓/27)もそのことを知っていると伝えるが……という展開。

視聴者のX(旧ツイッター)上の反響は、《橋づくりに熱意を燃やす職業ものかと思いきや、刑務所サバイバルや裏切り、夫婦間の気持ちのすれ違い、手練れの俳優陣がめちゃくちゃ怪しげで。ミステリー要素もあって想像以上に面白い。 脚本も劇伴もさすがとしか言えないし、テレ朝の本気度が伝わってくる》など、おおむね好評のようだがーー。

■『Believe』は現状“そこそこ”か

「同日よる10時から放送の赤楚衛二(30)主演『Re:リベンジ』(フジテレビ系)の平均世帯視聴率が、6%台から4%台前半に急落しており、そこの視聴者が流れてきた可能性もあるのでは、と思いますね。『Re:リベンジ』は主人公の行動の動機など設定が甘く、どうにも荒唐無稽、リアリティに欠けるのが数字急落の原因でしょう。『Re:リベンジ』を見るかわりに『Believe』を見る、そんな視聴者層もいそうです」(ドラマライター/ヤマカワ)

実は、その『Believe』初回視聴率も、今期連ドラのトップだった日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)初回の11.5%は超えたものの、同じ「木曜ドラマ」枠では、22年10月期の岡田将生(34)主演『トラベルナース』の初回11.9%は超えられず。さらに、木村拓哉主演の22年4月期『未来へ10カウント』の初回11.8%も、わずかに超えられなかった。

「同ドラマはテレビ朝日の65周年記念作品で、しかも、主演に木村を起用。悪い数字ではありませんが、それを考えると、“そこそこの成功”かと。同局的には素直に喜べないでしょう。第2話も拡大SPと力は入っていますが、TVerでのお気に入り登録数も下位で思った以上に伸びておらず、なかなか微妙な感じになっていますね」(前同ワ)

豪華な俳優陣だけでなく、ダムの建築工事現場の崩落事故シーンなど、CGのクオリテイも高く、制作側に力が入っていることはうかがえる。テレビ朝日の開局65周年記念にふさわしいヒットとなるか、“そこそこ”で終わるのか、今後を見守りたい。

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