御船祭で4人重軽傷 観客、塀に挟まれる 北茨城

船が路外に逸脱し、4人が重軽傷を負った事故現場=北茨城市大津町

2日午後2時40分ごろ、茨城県北茨城市大津町で開かれている「常陸大津の御船祭(おふねまつり)」で、けが人が出たと119番通報があった。県警高萩署によると、船を路上で引いて練り歩いている最中に経路を逸脱。祭り参加者と観客の計4人が船から落下したり、船と民家の塀に挟まれて肋骨(ろっこつ)を折ったりして重軽傷を負った。この日は約300年前から伝わる同祭りの初日だった。

重傷を負ったのは、いずれも同市の男性(37)と女性(37)の夫婦。祭りに参加していた40代男性2人も腰の痛みを訴えるなど軽傷を負った。

同署などによると、船をロープでけん引中、進行方向右側に逸脱。船の右側面にぶら下がって船を揺らしていた参加者2人が落下し、路上にいた夫婦は、船と民家のブロック塀との間に挟まれたという。

この日は同祭り初日で、市内の小中学生を含む約800人が参加して「宵祭り」が開かれていた。全長約15メートルの木造船(重さ約7.5トン)を左右に揺らしながら、沿道を約1キロにわたり渡御していた。

同祭りは地元の佐波波地祇(さわわちぎ)神社の祭礼で国の重要無形民俗文化財。豊漁と海上安全を願って、5年に1回開催している。

3日の「本祭り」では、みこしを載せた神船が午後0時半から街中を巡行する予定。

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