音楽とのペアリング-hide-

5月2日、日本のロック史にとって衝撃的なニュースが流れた日である。
1998年5月2日、元X JAPANのギタリストhideの死。
(元X JAPANとは書いたが当時、であり、再結成後はメンバーの一人。)

残念ながら、筆者自身、世代ではない。
当時はビールも飲めない(飲んだらダメな)、幼稚園生くらいだ。
hideの亡き後にhideの残した音楽に触れ魅了されたファンである。

そんなわたくし、西條伊里也、毎年5月2日にやることがある。
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hideの音楽を聴きながら(普段も聴いているが)、お酒を飲むのだ(普段も飲んでいるが)!
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ただ、今年は少し違う!この毎年のルーティンをやるこの日のために取っておいたビールがあるのだ!

その名も
hide生誕60周年記念”Born in YOKOSUKA”CRAFT BEER「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

hideとは

日本を代表するバンドX JAPAN(デビュー時はX)のギタリストとしてデビュー。
その後、並行してソロ活動を開始する(ちなみに表記はX JAPAN活動時はHIDE、ソロ活動時はhideだが、ここでは全てhideと表記する)。
ヘヴィーなギターサウンドの曲が多いバンドのギタリストというイメージとは裏腹に、ポップな曲、さらにはソロライブツアーのまるでおもちゃ箱をひっくり返したような革新的な演出なども人気の一つだろう。
残念ながら筆者は映像でしか見ていない。しかし映像からでもわかる。観客を楽しませ、びっくりさせることを何よりも意識したライブなのだ!
何度見ても飽きることはない!

また、音楽ジャンルの一つになっている「ヴィジュアル系」という言葉も元々はhideがX JAPANのキャッチコピーとしてつけた「PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK」から生まれた。つまりヴィジュアル系の生みの親とも言えるだろう。

hideと酒

hideは大のお酒好きとして有名、といいたいところだが、それよりも、そこはその時代のミュージシャンというか、酔っぱらって色々やらかしてる方で有名だ(同じくX JAPANのYOSHIKIと合わせて多数ある。)。
地球と戦って踵の骨を折ったり(おそらく酔っ払って倒れて地面にかかと落とし的な?)、また音楽でもD.O.D(DRINK OR DIE)という曲を作ってたりという具合である。
ちなみにD.O.D(DRINK OR DIE)はとてもビアジャーナリストとして紹介してもいいのか、と思ってしまうようなパンクな歌詞だ。
が、曲自体はいいしライブ版は警備員さんにお酒を飲ませたり、楽しいし、で、おすすめだ。

しかし思うのは、hideに関わらずこの時代のミュージシャンの伝説みたいなものを見ていくと、今のコンプライアンスでは考えられないことをしているよなぁ、ということ。
でも、だからこそ、今の時代にないような、刺激的なロックスター像が出来上がっていた、とも言えるのではないか?とかおもっちゃたりするのだ。

hide生誕60周年記念”Born in YOKOSUKA”CRAFT BEER「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

で、そんなhide、2024年は生誕60周年を迎える年、ってことで

「生誕60周年を迎えるhideに味わってもらいたいビール」

をコンセプトにGRANDLINE BREWINGさんとコラボレーションして造られたビールだ。

hide生誕60周年記念”Born in YOKOSUKA”CRAFT BEER「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

発売とともに即完売。手に入れられなかったのを悔やんでいたところ、再販された。
が、筆者は限定グラス付きセットを狙っていたのだが即完売。
激戦の中結局3本セットのみ手に入れた。
賞味期限が5月8日までのビールをいつ飲もうか迷った。しかしこの日しかない、やはり、5月2日だ!

さらに、5月1日、今までのアルバムの最新リマスター版と2023年に25年ぶりに集結したhideのソロプロジェクトのバンドhide with Spread Beaverのライブ(ちなみに筆者はこのライブ、参戦した)の映像付きの「REPSYCLE~hide 60th Anniversary Special Box~」が発売された。

hide Memorial Day 2023 “hide with Spread Beaver appear!!”

ここまで条件が揃ったペアリングってあります??

音楽を聴きながら飲んでみる。

PSYENCEというセカンドソロアルバムを聴きながら飲んだ。

「PSYENCE」と「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

「うん、いいね」

と思わず言ってしまう。

リマスター版、今まで聴こえていなかった音も聴こえてきていい!というのにも感動しつつ
hazy特有のトロピカル感もありつつ、苦味が結構しっかり、でも飲みやすいそんなビールを味わう。

「うん、いいね」

まるでhideのポップでインダストリアルな曲もありながらも聴きやすい楽曲達のよう。
「hideに味わってもらいたいビール」とのことだが、こうすると「hideと味わえてしまうビール」なのだ!

最後に

5月2日、実はもう一人レジェンドの楽曲を聴くことにしている。忌野清志郎である。
実はhideと忌野清志郎、命日が同じなのである。
そんな日に色褪せない楽曲達とともにビールを飲む、全てにおいて最高のペアリングではなかろうか。

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