『Re:リベンジ』錦戸亮の圧倒的存在感 赤楚衛二との“演技合戦”から目が離せない

役者のオーラというものは画面の端に映るだけでも伝わってくるものなのかもしれない。毎話、海斗(赤楚衛二)の前に立ちはだかる郁弥(錦戸亮)が画面に登場するたびに、その独特の雰囲気で場面を支配し、視聴者の目を奪う。そこから感じられるのは、ドラマの世界観を一瞬にして変え、視聴者を釘付けにする力だ。

そんな郁弥に対抗するように、海斗もますます眼光を光らせる。木曜22時の演技合戦とも言えるドラマ『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)第4話は、いよいよ本格的に理事長選をめぐる2人の対立が描かれ始めた。

前回のエピソードでは、海斗を5カ月間眠らせ、天堂記念病院の前理事長・智信(光石研)を殺害した首謀者が、海斗の伯母・市子(余貴美子)だったことが明らかになった。その情報が漏れ、病院の広報として働く海斗は対応に追われる。「私以外この事件追ってる記者、いなかったはずです」と海斗の出版社時代の後輩・紗耶(見上愛)も腑に落ちない表情を浮かべる。市子に代わる新理事長は副院長の三輪光成(小木茂光)ですんなりと決まるかに思われたが、大友郁弥が手を挙げ、4日後に新理事長選が開かれることに。

そんな中、海斗の元に三輪が現れ「一緒に智信が進めていた心臓血管外科プロジェクトを取り戻そう」と話す。海斗は、理事長選の鍵となる智信の相談役であった小児科部長・小笠原哲也(古舘寛治)の気持ちを動かすように伝えられるのだった。

その提案に同意した海斗は、三輪に一票を投じるよう持ちかけるが、拒絶されてしまう。そんな海斗に、元恋人の朝比奈陽月(芳根京子)が声をかける。そして、陽月は、心臓血管外科プロジェクトにより妹・朝比奈美咲(白山乃愛)の手術が行われることを願っていると話し、「ひどいことを言った」と海斗を信じなかったことを謝罪した。

三輪から、2人の理事が郁弥側に付いたと聞かされた海斗は、郁弥があと一票を獲得すれば、三輪の勝ち目はなくなることが知る。「小笠原先生の支持がなければ、我々の勝ち目はありません」と告げられた彼は、再び小笠原の元へ。小笠原の芯をつくような言葉の数々に答えられず、頭を抱える海斗の元へ郁弥がやってくる。

一方、美咲と距離が縮まった海斗に「3年前に海外で手術をした時は、親が残してくれてたお金で"なんとか"した」と過去の美咲の治療について明かした陽月だが、果たしてこの言葉は本当なのだろうか。視聴者の間では、「3年前の費用を、柏原収史演じる謎の男に借りたのではないか」と考察が飛び交っているところだ。

奇しくも父親と重なるような熱い思いが伝わり、予想外にも小笠原を説得した海斗。しかし、本性を明かした三輪とトラブルになり、またもや信頼できそうな人物を失ってしまう。

また、今回の放送中には、X(旧Twitter)で「大友先生」がトレンド入り。錦戸亮演じる大友郁弥は、これまでも海斗の前に立ちはだかってきたが、その手腕の凄さを改めて感じさせられる回となった。毎話、錦戸亮の絶妙に何を考えているのかわからない演技に翻弄される視聴者にとっては、もはや郁弥が画面の端に登場しただけで“嫌な予感”がするほど。その圧倒的ヴィランとしてのオーラをまとった存在感抜群の演技は、ドラマに欠かせない要素となっている。郁弥の真の目的は未だ明らかになっていないが、彼の思惑を読み解くことができる人物は、今のところ誰一人としていないようだ。

「お願いがあります、私を理事に推薦していただけませんか?」

会長である皇一郎(笹野高史)にけしかけられた海斗は、いよいよ自身が理事長選に出馬することを決めたのだった。陽月が隠れて見守る中、海斗は郁弥に「取り戻してみせます、あなたに奪われたもの全てを」と宣言。この言葉には、これまでの全てを賭ける海斗の強い決意が込められていた。

次回のエピソードでは、理事長選をめぐる熾烈な戦いが繰り広げられると思われるが、次こそ海斗は郁弥に勝てるのだろうか。海斗の運命を左右する理事長選の行方に、目が離せない。今回もまた郁弥の掌の上で転がされてしまったようにも見える海斗だが、ぜひ次回こそ“リベンジ”を果たしてほしいものだ。

(文=すなくじら)

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