【タイ】マイクロソフト、初のデータセンター設置へ[IT]

セーター首相(右)とナデラCEOは昨年11月の首相の米国訪問以来、約半年ぶりに再会した=1日、タイ・バンコク(マイクロソフト提供)

米マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は1日、訪問先のタイで、同国に初のデータセンターを建設すると発表した。クラウドや人工知能(AI)のインフラにも投資し、タイで10万人以上にAIスキルアップの機会を提供すると述べた。

マイクロソフトは首都バンコクで同日にイベントを開いた。ナデラ氏はセーター首相や財界リーダー2,000人の面前で「タイはデジタルファーストな未来、AIを活用した未来を構築する機会にあふれている」などとスピーチ。新たなデータセンターやAIインフラ、AI人材育成といった一連の投資を通じて「タイの官民組織に新たなインパクトと成長エンジンを与える」と宣言した。

セーター氏はイベントで「われわれは2030年までにデジタル経済の中心地とするビジョンを掲げている。マイクロソフト社の発表は、ビジョンの達成に向けた重要なマイルストーンになる」などと演説した。

ナデラ氏は4月30日から5月2日にかけて、インドネシアとタイ、マレーシアの3カ国を歴訪。インドネシアでは、AIやクラウドに向こう4年間で17億米ドル(約2,680億円)、マレーシアでは向こう4年間で22億米ドルをそれぞれ投資すると発表した。タイでは投資額の発表はなかった。

■ASEANで250万人にAI教育

マイクロソフトは2025年までに、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国で250万人にAI技術を学ぶ機会を提供するとしている。

タイでは10万人以上が恩恵を受ける見通しで、観光産業でのAI活用に重点を置く。マイクロソフトはデジタル経済社会省や観光・スポーツ省、国の技術・職業教育・訓練機関などと連携し、主に地方の若い企業家や観光業に携わる若者にAIスキルを提供するという。

タイでは携帯通信大手アドバンスト・インフォ・サービス(AIS)やサイアム商業銀行(SCB)などを傘下に置く金融持ち株会社SCBX、国家保健保障事務局(NHSO)といった企業・組織がマイクロソフトのAIソリューションを利用している。

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