3福祉施設62人食中毒 金沢、野々市 ウエルシュ菌検出

 石川県と金沢市保健所は2日、同市と野々市市内の社会福祉施設3カ所で、40~100歳代の男女計62人が食中毒になったと発表した。症状は下痢や腹痛などで、全員が回復に向かっている。複数の患者の便からウエルシュ菌が検出されており、県などは系列施設で調理後に配送された食事が原因と断定。3施設を運営する「イワクラ」(金沢市)に対し、4日まで3日間、給食施設を営業停止とした。

 県と市保健所によると、食中毒が発生したのは、老人ホーム「マナの家 木曳野」(金沢市木曳野2丁目)、介護施設「マナの家 涌波」(同市涌波1丁目)、介護施設「マナの家」(野々市市本町1丁目)。

 発症した62人は3施設の利用者や職員で、いずれも4月24日の昼食にタラ南蛮やカボチャのそぼろあんなどを食べた。メニューは前日の23日に系列施設で調理後、冷蔵もしくは冷凍され、当日に3施設へ運ばれた。各施設で再度加熱処理をしたという。

 25日昼、イワクラから「入居者複数名に腹痛や下痢の症状がある」と相談があり、判明した。食事を調理した「マナの家 松島」では食中毒の発症者はいなかった。温度管理に問題があった可能性がある。

 ウエルシュ菌は、カレーやシチューなどを大量に調理した後、室温で放置すると増殖しやすい。市保健所によると、すぐに食べない場合は小分けにして急速冷却し、温めなおす際、よくかき混ぜながら十分に加熱するのが予防のポイントとなる。

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