時短勤務が使えなくなる「3歳」が分岐点…共働き夫婦の子どもは「保育園一択」ではない【ライフキャリアコンサルタントが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

共働き夫婦が増えるなか、子どもを身近な人でみてくれる人がいない場合は、施設へ預ける必要があります。そのとき、多くの人は「共働き=保育園」という選択肢で考えるかもしれません。本記事では、ライフキャリアコンサルタントの江野本由香氏が、共働き夫婦の子どもにおける幼児期の環境について解説します。

保育園と幼稚園の違い

保育園も、幼稚園も、未就学児が通うところとしては同じですが、保育園は「家庭において保育できない乳児や幼児を家庭に代わり保育する」ことを目的とした、厚生労働省の管轄。幼稚園は「教育」を目的とした、文部科学省の管轄と違いがあります。同じようで主目的が違うこともあり、いくつか違いがあるのです。

まず、先生がもっている国家資格が違います。保育園は「保育士」、幼稚園は「幼稚園教諭」の資格。

ほかには先生の配置基準も違います。開所時間も違いますし、通える年齢、保護者に対する対応、食事も違います。保育園は0歳から通うことができ、家庭で保育ができないことが前提なので、保護者が園の活動にかかわることはあまりありません。認可保育園の場合は原則、給食です。

一方、幼稚園は3年保育が主流で、通いはじめられるのは3歳からです。保護者がかかわることが前提のところが多いので、園へ行ったり、保護者同士で何か活動したり、付き合いも濃い傾向にあります。お弁当か給食かは園が任意で決めています。

近年では少子化の影響もあり、幼稚園の預かり保育も充実。内閣府管轄の「認定こども園」といった、幼稚園と保育園の両方の機能をもった施設も増えてきています。

未就学児が通うのは義務教育ではありませんから、保育や教育の内容は設置の違いだけに限らず、それぞれの園で特徴があります。

3歳までは保育園、その後転園を検討

我が家の場合、復職時には0歳から3歳までが対象の保育園に通っており、幼稚園に通う年齢になるタイミングで転園することが前提でした。優先的にほかの認可保育園へ移れるシステムだったものの、園を卒園する節目があったことから、リトミックやお絵かきなどの教育もしてくれる幼稚園に魅力を感じ、預かり保育を利用することも考えました。

ですが、時短勤務とはいえ、フルタイムで働いている状況。そのため毎日のお迎えは18時30分が前提と考えると、いくら預かり保育があるといっても、14時くらいに保護者が迎えに来て帰宅する子どもが多いなかで、「毎日うちの子どもは最後まで残ることで寂しさを感じるのではないか……」と考えました。

夏休み・冬休み・春休みといった幼稚園の長期休暇はお弁当持参、園の都合により預かれないときがある状況から、我が家の事情にはやはり合わないと感じ、保育園への転園を選択することになります。

子どもは「保育園」か「幼稚園」か「こども園」か

保育園・幼稚園・こども園、どれがいいということではありません。就学前まで通える保育園に通っていても、幼稚園に入る年齢のタイミングで一度、どのような環境で子どもに過ごしてほしいのかを考えてみてはいかがでしょうか。そのうえで、仕事の状況と合わせ、どの環境を選択するのかを決めるのです。

3歳になった時点で時短勤務が使えなくなる職場の場合、これからの働き方を見直すタイミングでもあります。ここから小学校中学年くらいまでは、子どもをひとりにできないけれど、復職して時間も経ち、仕事がどんどん忙しくなっていく時期が続いていきます。

2人目、3人目と兄弟が生まれ、その子の育休や産休の取得のタイミングが来る人もいるかもしれません。どこに価値軸を置くのか、我が家の状況と家庭の子育て方針で、大事な幼児期をどう過ごすのか考えてみましょう。

江野本 由香
ライフキャリアコンサルタント

※本記事は『キャリアと子育てを両立する!自分と家族の価値軸で築く幸せな生き方』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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