潮風トレイル、海外ハイカー熱視線 岩手県内受け入れ態勢強化

みちのく潮風トレイルに挑戦中のバルバレスキ・ジュリアさん(左)と夫のカーヒル・ベネンさん。海外でも注目度が高まっている=2日、久慈市宇部町

 全線開通から5周年を迎えた長距離自然歩道みちのく潮風トレイル(八戸市-福島県相馬市、1025キロ)は、海外でも注目度が高まっている。英紙タイムズなどの有力メディアで記事や特集が組まれ、著名な観光地ではなく「本当の日本の姿を知りたい」というインバウンド(訪日客)のハートをつかむ。海岸線を歩けるロングトレイルは世界的にも珍しく人気が上昇。岩手県内では外国人ハイカーの受け入れ態勢を強化する動きが出ている。

 本紙の「こちら潮風トレイル部」メンバーは2日、久慈市宇部町でアイルランド出身のカーヒル・ベネンさん(36)、イタリア出身のバルバレスキ・ジュリアさん(38)夫妻=横浜市=と出会った。

 夫妻は八戸市から普代村への踏破に挑戦中。ジュリアさんは「イタリアの海岸の景色に似ているが、日本は緑が多くてきれい」、ベネンさんは「山と海を歩けるトレイルはいいね」と顔をほころばせた。

 外国人ハイカーの受け入れ態勢を強化するため、県宮古地域振興センターは22日、歩く観光の先進地・熊野古道の関係者を招いたセミナーを開く。欧米の旅行会社やメディア向けのツアーも予定し、英語版「アクセスマップ」も作成する。

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