スティーラーズ、RBハリスの5年目オプションを行使せず

ピッツバーグ・スティーラーズのナージー・ハリス【AP Photo/Matt Rourke】

ランニングバック(RB)ナージー・ハリスのNFLキャリアは1巡目指名で始まり、ピッツバーグ・スティーラーズの新たな主力ランニングバックとして多くの期待を集めた。

ハリスのキャリアが——少なくともスティーラーズで——どのように終わるのかはまだ分からないが、ハリスの将来には疑問が投げかけられている。『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが現地2日(木)に報じたところによると、スティーラーズはハリスの5年目オプションを行使しないことにしたという。

スティーラーズは2024年以降もハリスとの契約を結ぶかどうかを決定する前に、新しい攻撃コーディネーター(OC)アーサー・スミスの下でのハリスのパフォーマンスを見極めるつもりだとペリセロは伝えている。その結果次第では、ハリスの将来的な契約の可能性はまだ残っている。

投資の長期的なリターンが少ないことで悪名高いポジションでプレーするハリスにとって、この事態は理想的な展開ではない。しかし、この問題はハリスが2021年のルーキーシーズンに記録した1,200ヤードとタッチダウン7回がピークだったという事実に限らず、それ以降のスティーラーズのバックフィールドにおける進化にも関連している。

バックアップRBのジェイレン・ウォーレンは過去2シーズンを経て単なる補助ランニングバックを超えて、信頼できるボールキャリアとして台頭してきた。ウォーレンの参加により、スティーラーズは地上戦でディフェンダーを突破できる2人のランニングバックをそろえたことになる——なかには、ウォーレンは2人の中でより優れたオプションかもしれないと考える人もいる。

ハリスはNFLでの最初の3シーズンすべてで1,000ラッシングヤード以上を記録しているものの、それは決して楽ではなかった。ハリスがキャリー1回あたり4ヤードを超えるようになったのは2023年に入ってからだ。一方、ウォーレンは最初の2シーズンで1回あたり5.1ヤードの成績を残しているが、総キャリー数はハリスより少ない。

一握りのエリートランニングバックのみが相応の報酬を得ている一方で、リーグ内の他の選手たちは頻繁に交代して使われるこの時代に、ハリスはその中間くらいの位置で立ち往生している。また、ハリスは、マット・カナダ前OCのシステムでプレーするという課題にも直面。このシステムはあまりに効果が低く、ヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンが2023年シーズンの途中で、カナダを解雇するほどだった。

スティーラーズはハリスの将来について最終的な決定を下す前に、カナダ以外の人物が指揮するシステムでハリスをもう一度試してみたいと考えている。ウォーレンがいるおかげで、2025年にハリスを手放すことになっても、スティーラーズは何も持たない状態にならないことが分かっている。また、もしハリスがスミスOCの指導の下で開花すれば、2024年の成功したシーズンから得た自信を背景に、契約の交渉が行われることになるだろう。

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