「オーラに欠ける」遠藤航、救世主扱いから一転して退団危機…リバプールが抱える「どうしても放出したい理由」とは

写真:ロイター/アフロ

2023-2024シーズンから英・プレミアリーグの名門リバプールに移籍した日本代表キャプテンの遠藤航。移籍当初こそプレミアのスピードやチームの戦術に戸惑いを見せていたものの、試合を重ねるごとに改善。一度レギュラーの座をつかんで以降は、不動の地位を築いていた。

リーグ戦、国内カップ戦、ヨーロッパリーグと、試合数や出場時間が増えていくにつれ、目の肥えたサポーターから「(安い移籍金で獲得した)遠藤はお買い得だった」「今季補強のなかでいちばんの驚き」などと最大限の評価が集まった。

なかには、「エンドウを少しは休ませるべき」という声もあがった。それほど、替えの利かない選手へと遠藤は成長したのだ。

だが、日本代表キャプテンとして出場したアジアカップもあり、 当然、疲れは蓄積していった。遠藤の疲れとともにリバプールも調子を落とし、優勝争いのトップから脱落。5月3日現在で3試合を残し、トップのアーセナルから勝ち点差5と、優勝は絶望的となった。

すると、終盤戦の失速は「遠藤の不調のせい」との声が増えていった。英メディア「GiveMeSport」は「遠藤はリバプールを前進させる男ではない」「ワールドクラスの中盤に備わっている “オーラ” に欠ける」と辛辣にこき下ろした。

「リバプールが調子よく、リーグ戦のトップを走っていたころは、それこそ遠藤に最大限の賞賛を与え、救世主のように扱っていました。

ところが、チーム自体が下り坂になると、ほかにも調子が落ちた選手がいたにもかかわらず、すべて遠藤のせいのような報道もありました。まさに手のひら返しですね。

ただ、こうした報道はサッカーの盛んな国ならどこでもあること。遠藤も気にする必要はありません。それだけ今季の彼は素晴らしかったのだから」(現地記者)

と遠藤の功績を讃えつつ、気になる話を続ける。「リバプールには、どうしても遠藤を放出したい理由がある」というのだ。

「2015-2016シーズンからリバプールを率いてきたユルゲン・クロップが今季をもって退任するんです。

クロップは在任中、リーグ、国内のカップ戦、さらにチャンピオンズリーグ、FIFAクラブワールドカップと可能な限りのタイトルを獲得してきた名将です。

その彼が退任するということは、来季は新しいチームを作らなければいけない。しかも、クロップ時代より優れたチームを作るとなれば、新監督はもちろん、さらに優秀な選手も獲得しなければいけない。

だから、遠藤がダメということではなく、それこそ世界でも超一流のボランチの獲得を目指す必要があるんです」

日本代表キャプテンが、自身を最大限に評価してくれた名将とともにリバプールを去るのか。その場合の移籍先はどこなのか。動向に注目だ。

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