【アナコラム】長谷川太「苦しいシーズン序盤」

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▼5月3日配信号 担当長谷川太アナウンサー

西武ライオンズのチーム状況が上がってこない。
この原稿を執筆している4月29日現在 25試合消化して8勝17敗で最下位である。
28日からのソフトバンク3連戦では何と3試合連続サヨナラ負けを食らってしまった。
まあ長いペナントレースは始まったばかりだ。これからどうなるかなんて誰にも分らない。とはいえ長年「ライオンズナイター」を担当している身としては心中穏やかでないことは告白しておく。

さてライオンズは得点力が低い。25試合消化時点のチーム打率は.204 得点は66で共にパリーグワーストである。これは今に始まったことではない。昨シーズンからも得点力アップはチームの重要な課題だったはずだが、これが解消されない。
1番打者が決まらないのだ。
昨シーズンライオンズの1番打者を務めたのは、源田、蛭間、岸、山野辺他合計10人もいて、トータルの1番打者の出塁率が.265はパリーグワースト。
今季はどうかというと25試合消化で、1番打者は、金子、源田、コルデロ、外崎、長谷川、岸、高松と、もう7人も起用されているが出塁率は.223と低迷。
ちなみにソフトバンクのこの数字は.369だからはっきり言って比較にならない。
現役時代は1番打者としても活躍した松井稼頭央監督が1番打者を育てることができていない。昨年の課題が解消されていないのは残念だ。

昨今のプロ野球は、昨年パリーグを制したオリックスに代表されるように、
調子のいい打者をとっかえひっかえ起用する日替わり打線が当たり前になってきている。
1番打者だって、最初に打席に入るのは試合開始直後だけで2打席目以降は3番だったり6番だったりするのだから、1番にこだわる必要はないということをいう人もいるが、私の考えではこれは絶対に違う。1番打者はその試合で1番多く打席に入る打者である。野球のルールが変わらない限り、1番打者より2番打者のほうが多く打席に入ることは絶対にない。
ということは、最も打席に多く立つ選手の出塁率が2割前後で多くの得点を望むなんて不可能なのだ。

松井稼頭央監督にとっても苦しいシーズン序盤になってしまったが、松井監督の現役時代ライオンズの監督を務めたのは、現ライオンズナイター解説者の東尾修さんである。
いわば東尾さんは松井監督の師匠だ。

次回東尾さんに解説をお願いする試合、是非今のライオンズについて、根掘り葉掘り伺うので、ファンの皆さん 楽しみにしててください。

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