スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も

(KEYSTONE/KEYSTONE/GAETAN BALLY)

スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。

報告された事故にはグランドハンドリング(地上業務)中の航空機の損傷や空中・誘導路でのニアミス、鳥との接触などが含まれる。

GPSの誤動作は2100件超と、前年比55%増えた。コロナ禍前の2019年比では4倍に達する。

スイス・インターナショナルエアラインズ(スイス国際航空)ではアジア・東南アジア路線や中東上空の飛行で、現在地を誤認させる「GPSスプーフィング」が毎日のように記録されている。特にウクライナや中東上空で多いという。

民間航空局FOCAによると、他の種類の報告も増加している。航空機からのGPS信号への大規模な干渉や、レーザーやドローンの使用の増加などが原因だ。ドローン関連事件は1割増加し、民間航空機に対するレーザー攻撃も増えた。

プライベート飛行でも2件の事故があり、計5人が死亡した。5月にヌーシャテル州ラ・ショー・ド・フォンの飛行場に進入しようとした小型飛行機がジュラ山脈に墜落し、3人が死亡。11月にはゾロトゥルン州グレンヘン近郊で小型航空機が墜落し、乗員2人が死亡した。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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