まだ新学期が始まったばかりなのに・・学校に「行きたくない!」という子どもにどう対応すればいい?

学校へ行きたくないという子どもへ、どうやって接していけばいい?そんな質問に、一般社団法人インナークリエイティブセラピスト代表佐藤城人さんにお答えいただきました。

気持ちが大事

あなたが子どもだったとき、「学校に行きたくない」と思ったことはありましたか?その場面を思い出してください。そのとき、AとB、どちらが近いと思いますか?
[A]自分の中に、気持ちが収まっている状態 [B]自分よりも、気持ちが溢れている状態

答えは、Bです。
気持ちの中に、自分が溺れている状態といってもいいでしょう。
では、このようなときに、子どもは何を求めているのでしょう?

「こうすれば学校に行けるよ」というアドバイスでしょうか。
「あなたなら大丈夫!」のような叱咤激励の言葉でしょうか。

どちらも、図Aの状態であれば聞く耳を持つことも可能でしょう。しかし、Bの場合はその余裕も持てません。アップアップの状態なのですから。

「学校に行きたくない!」というとき、まず私たち親がすることは、溢れている気持ちを、ノーマルな状態に戻すことです。具体的には、子どもの気持ちを十分に聴くことからスタートしてください。そして、Aに戻ったところで、次に対策を一緒に考えることです。
(1)気持ちを受け止めること
(2)対策を一緒に考えること
この(1)→(2)の順番で取り組んでください。

聞くと聴くの違いは?
子どもの気持ちを十分に聴くことが大事とお伝えしました。では、「聴く」と「聞く」の違いはなんでしょう?どちらの漢字にも、それぞれ役割があり、目的に応じて使い分ける必要があります。では、子どもが「学校に行きたくない」とSOSを発信しているとき、親はどちらの「きく」姿勢で臨めば良いのでしょう?
答えは「聴く」です。
耳でなんとなく聞く、これが「聞く」のイメージです。日常生活では、例えば家事やスマホをしながらの「ながら聞き」です。これでは、子どもも話す意欲を失ってしまいます。何かと忙しいのは十分にわかります。ただ、愛する子どもがSOSを発信しています。ここは心を開き、向きあって聴くことが求められます。

では、「聴く」は?
耳だけではなく、目や心も用いて聴くこと。これが本来の意味です。子どもとしっかりと向きあい、親が心を開いて聴くからこそ、子どもも思いを吐き出すことができるのです。
ぜひ、しっかりと「聴く」姿勢を意識なさってください。ポイントは簡単です。
「ながら聞き」をしない。これだけですから。

次のページへ

© 株式会社エネージア