“全身一枚皮美容” や“ながらケア”などキレイの秘訣は意外にシンプルで続けやすいものばかり! ~美容家・小林ひろ美さん流「メリハリ美容のコツ」Vol.1~

By 小林 ひろ美

FYTTEヘルスケアトレンド2024のトレンドワードのひとつとして掲げている「メリハリ美容」。さまざまな美容ケアアイテムが登場し、ケア方法も多岐に渡るいま、「何からはじめたらいいのかわからない」「やることが多すぎて時間もお金も足りない!」などと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。美容ケアで重要なのは、本当に必要なケアの見極めや優先順位。賢く美容投資をするためには何をどう選ぶべき? 美容家の小林ひろ美さんから「メリハリ美容」について教えていただきました。

継続力が本当の美肌を作る! 美容ケアは〈毎日・シンプルに・全身〉を

スプーンどんぶらこ」や「おこりんぼう洗顔」など、数々のユニークな美容方法を編み出してきた小林さんですが、おもしろいネーミングをつけることも美容ケアを継続するための工夫なのだそう。

「美容は本来、わくわくドキドキするもの。楽しくなくちゃ美容じゃないんです! だから、どうしたらお手入れが楽しく続けられるかを考えるためにも、とり入れるケアにメリハリをつけることは大切です。また、“やらなくちゃ!”と気負ってしまうと続いても1か月が限界。すべてをがんばる必要はありません。継続こそが本当の美肌作りにいちばん欠かせないことなので、毎日ケアを続けるためにはお手入れをどうシンプル化していくかも肝心です」

さらに、「日々のお手入れにメリハリをつけるなら、全身をケアするほうがむしろ効率的」だと、小林さんは続けます。

「歳を重ねてハリとツヤが失われてくると、目につきやすい顔や髪が気になってくる方が多いのではないでしょうか。だからといって顔だけをケアしても、お腹がぽってりして髪がボサボサでは、どんなに顔がキレイでも説得力がありません。若々しさは全体から醸し出すオーラやフォルムが作り出すもの。“メリハリ美容”と聞くと、顔だけ、髪だけ、と体のパーツにフォーカスしがちですが、ケアする場所を狭めるのではなく、全身をプロデュースしてあげるのが大事な考え方です」

「ちょっとずつ、毎日きれい」をモットーに。毎日のケアで心がけている2つのポイント

美容は「毎日継続すること」、そして「顔だけでなく全身のうるおい」も重要だと言う小林さん。だからと言って、「やることが多そう!」と身構える必要はありません。ポイントは、じつはたったの2つだけ。

ポイント①:水まわりはキレイになれるチャンスの泉。湯あがりにオイルで体を巡らせ美肌の土台を作る

スキンケアで重要なポイントのひとつは巡り。血流が滞ると肌の代謝が落ちてしまうため、「オイルマッサージで全身を流して巡りをよくしてあげることが大切」だと小林さんは言います。そして、体の巡りをよくするため毎日行っているのが“全身一枚皮美容”。

「私が30代から実践している“全身一枚皮美容”は、体を巡る血行を利用して、肌をすみずみまでキレイにしていくケア方法です。そもそも肌全体で考えると、全身は顔から足の先まで一枚の皮でつながっている状態。だから顔だけ、髪だけのようにパーツで見るケアよりも、全身をまんべんなくケアするほうが、巡りが高まり、結果的にすべてがうるおいます」

「全身ケアと言っても、この全身一枚皮美容はお風呂上がりにオイルマッサージをするだけという超お手軽なものなの。足首・ひざ裏・そけい部・腹部・わき・鎖骨・耳の後ろと、リンパ腺が通っている7つのジャンクションを、心臓から遠い順にオイルを塗っていくだけ。それ以外に気になる部分があれば、ついでにマッサージするくらいでOK! 慣れてくれば20秒もかかりません

体が温まって血流がよくなっているお風呂上がりは、全身が巡りやすいタイミング。しかも裸なのでお手入れもしやすく、全身ケアには一石二鳥。

「オイルはベタベタするからと敬遠されがちですが、お風呂場やトイレ、洗面台などの水まわりに置けば、塗った後の手をすぐに洗い流せるのでおすすめ。水場に血の巡りがよくなる美チャージアイテムを置いてお風呂から出たらオイルを全身に塗る、手を洗ったらハンドクリームを塗るなど“ながらケア”ができるようにすれば、習慣化も簡単。いかに日常生活に組み込めるかがポイントです」

またお風呂場に置くオイルは、面倒なふたの開閉がないディスペンサータイプがおすすめ。小林さんが開発した「セブンフロー ハーブサーキュレイトオイル」(150ml ¥7,150/美・ファイン研究所)なら、オイルを塗った後もすぐにパジャマが着られるほどサラッとした着け心地です。

ポイント②:徹底保湿がやわ肌への近道。〈落とす・うるおす・ふたをする〉をルーティンに

スキンケアで重要なもうひとつのポイントは「徹底的な保湿」。「肌は、とにかく乾かしてはいけません!」と小林さんのアドバイスにも熱が入ります。

「毎日のスキンケアで特別なことをする必要はなく、肌を乾かさないために押さえるべきポイントは、“落とす・うるおす・ふたをする”の3つのみ。この3つを日々続けるだけでも肌のバランスが整ってきて、自分史上最上級の透明感を引き出すことができます。また、スキンケアは毎日のことなので、ストレスがたまることは避けましょう。例えば、今日は疲れたなぁという日のメイク落としは、洗浄力が高いオイルクレンジングに頼ってしまってもOK。ただしそのぶん、化粧水やクリームはたっぷりとつけて保湿をしっかりとするなど、最終的に肌のバランスが整うように調整してあげることが大切。ケアする過程が多少雑になったとしても、帳尻が合っていれば問題なし!

さらに、スキンケアで基本となる3つポイントのうち、40代からは「落とす(クレンジング)」ものにお金をかけるべきだと小林さんは指摘します。

「家庭でやってしまいがちなのが、子どもが使っているクレンジングを一緒に使ってしまうこと。じつは洗浄力が強すぎて、逆に肌を傷めてしまう恐れも。クレンジングはテクスチャーや洗浄力で選ぶことができるので、家族間で共用はせず、年代や肌タイプに合ったものを選ぶことが大切です。全身の巡りと同様に、乾燥して肌がかたくなっているとどんなにいい化粧水でも浸透してくれません。肌が巡ってやわらかければ、すべてが追い風美容。お手頃なアイテムでもしっかりとうるおいます」

次のVol2.では、小林さんが20・30・40・50代の年代別で「とり入れてよかった」美容ケアについてうかがいます。

〇衣装
カットソー¥13,200(ドゥクラッセ)、ピアス¥16,500(エトワライト) その他小林さん私物
〇ショップリスト
ドゥクラッセ 0120-178-788
エトワライト www.etoilight.com

撮影/我妻慶一
ヘア&メイク/広瀬あつこ
スタイリング/程野祐子
取材・文/番匠郁

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