血流の悪さが肩こりや便秘の原因に! 巡りを促す足刺激テクニック

By 鈴木 きよみ

足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、肩こりやむくみがお悩みです。その人の性格や生き方も表す足相から、不調の原因をくわしく掘り下げて、今の体調を上向きに変えるための足刺激テクニックをご紹介します!

しっかりとした意思がありチャレンジ精神豊富な人の足相って?

今回のモニターは、事務の仕事をしている40代前半のらんさんです。

らんさん:「毎日のように肩こりがツラく、なかなか改善されないのが悩みです。疲れがとれにくく、むくみも気になります」

きよみ先生:「じつは、足や指先の形を見ると、その人の性格や生き方を読みとることができるのですが、らんさんは、自分のやりたいことに、まい進中のようですね! とてもがんばっているので、その分お疲れがたまりやすく、肩こりもひどくなってしまうのかもしれません」

どのような足の特徴から、そのことがわかるのでしょうか?!

きよみ先生:「足色が赤いのは体が興奮していることを示すのですが、らんさんはふだんから赤い色をしているとのことなので、とてもアクティブな人だということがわかります。また、らんさんの足の形と人さし指の形は四角いですね。このような特徴をもつ人は、やりたいことや夢に向かってがんばる力をもっている人が多いのですよ」

らんさん:「その通りかもしれません。ボランティアなどの社会貢献活動や運動など、今やりたいことがたくさんあります!」

きよみ先生:「らんさんは、しっかりとした意思をもった性格なので、やりたいことはなんでもチャレンジするのが向いていると思いますよ」

●しっかりとした意思をもち、チャレンジ精神のある人の足相

足の形が四角く、人さし指の先(矢印の部分)が角ばっている

四角い足形は、足の上部の幅とかかとの幅の差が大きくなく、全体的にしっかりとした幅のある足のことをいいます。また、指先の形が四角かどうかは、人さし指の先が角ばっているかどうかをチェックしてみてくださいね!

ただし、きよみ先生は人さし指の向きが気になるそうです。

きよみ先生:「人さし指の向きを見てください。この指だけ曲がってほかの方向を向いていますね。本来はまっすぐであることが理想なのですが、やりたいことがうまくいかないときや、何かに阻まれているときは、足に力が入りやすくなって、このように人さし指の向きがそろわなくなることがあるのですよね」

●人さし指の方向が曲がっている

らんさん:「うまくいってないこと、たしかにありますね…」

きよみ先生:「足は自分で変えられるので、曲がった指は伸ばすようにストレッチしてあげてくださいね。指がまっすぐになると、体の力の入り方が自然になり、ものごとがスムーズに進み出すことも多いのです」

最近うまくいかないことがある人は、人さし指の向きをチェックしてみましょう! 指が曲がっていたら、まっすぐにのばすストレッチをするといいですね。

肩こりやむくみ、便秘の原因を示す足相とは?

きよみ先生は、らんさんの僧帽筋のゾーンをチェックしていきます。

●僧帽筋のゾーン

きよみ先生:「肩こりの人は、足裏の僧帽筋のゾーンの片方だけに角質がつくことが多いのですが、らんさんは両方とも角質がなく肌がきれいですね。一般的な肩こりは、どちらかの肩に重い荷物を持つとか、肩を使い過ぎたなどが原因のことが多いのですが、らんさんはそうではないようです」

●僧帽筋のゾーンに角質がなくきれいな肌

きよみ先生:「らんさんは、肩の筋肉の使い過ぎによる肩こりではなく、全身の血流の悪さが肩こりを強く感じさせているようです。このケースの肩こりは、肩をマッサージするよりも、温めてあげるほうがラクになりますよ」

らんさんの血流の悪さは、足の土踏まずの部分が冷たいことからも明らかだそうです。

きよみ先生:「下行結腸のゾーンにふれると冷たいので、お腹がかなり冷えているようですね。便秘や下痢をしやすいのではないですか?」

らんさん:「3日に1回しか便通がなく、かなりの便秘だと思います。病院で便秘の治療を受けようかと考えていたくらいです」

大腸のゾーンは、左右の足にまたがるようにして、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸・直腸のゾーンに分かれています。この部分の肌が冷たい人は、お腹の調子をくずしやすい状態なので、注意しましょう!

●大腸のゾーン

きよみ先生:「お腹が冷えすぎて、腸のぜん動運動がうまくいかず、便秘になっているようですね。大腸のゾーンを刺激すると、便通が整いやすくなるのでやってみてくださいね! 足刺激で巡りをよくしていきましょう」

らんさんのお悩みである、肩こりやむくみ、便秘の症状は、すべて血流の悪さから来る冷えが原因であることがわかりました。足刺激で血流を促すと、らんさんの体調は今よりもよくなりそうですね!

血流をよくして、肩こり・むくみ・便秘を解消する足刺激テクニック

血流をよくするためのおすすめの足刺激テクニックをご紹介します。全身の巡りに働きかけることができるので、肩こりやむくみ、便秘に悩んでいる人はぜひ行ってみてくださいね。

【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。

●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン

【大腸のゾーンを刺激】
土踏まずにある大腸のゾーンを指の関節の角や指圧棒の先で流すように刺激しましょう。

●大腸のゾーン

左足の大腸のゾーン(横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸)は、矢印に沿って、コの字を描くように刺激します。この部分に、老廃物のゴリゴリとした手ごたえを感じる場合は腸に便がたまっている状態です。矢印に沿って押し流すようにしながら刺激しましょう。

右足の大腸のゾーン(上行結腸・横行結腸)は、矢印に沿って、逆のL字を描くように刺激します。痛みを感じるときは、痛みが和らぐまで根気よく刺激しましょう。

【足の甲を流す】
足の甲は、足の指と指の間の溝を、指の根もとから足首に向かって流すように刺激します。ここを刺激するとリンパの流れがよくなり、よぶんな老廃物を汗や尿として外に出すことができるので、むくみが解消します。

●足の甲の溝を足首に向かって流す

お腹の冷えをケアする養生法

お腹の中が冷えている人は、おりものの量が多くなります。おりものにはよぶんな水分を外に出す浄化作用があり、水分を排出して冷えを解消しようとするためです。冷えを実感している人や、おりものが多いと感じる人は、お腹をしっかり温めるために、カイロや湯たんぽなどをお腹に当てるのもいいでしょう。

巡りがよくなって指先まできれいなピンク色に!

きよみ先生が足刺激の基本部位のひとつである腎臓のゾーンを刺激すると、らんさんは強い痛みを感じている様子でした。

らんさん:「痛いですね…」

きよみ先生:「大腸のゾーンも痛みが強いようなので、やはり便通が悪いようですね。

ゴリゴリとした手ごたえがあるのは、乳酸や尿酸と呼ばれる老廃物が滞っているためです。これを足刺激で細かく砕いてリンパに流すと痛みが薄らいでくるのですよ」

らんさん:「だんだん痛みがおさまってきました。体も温まってきたのがわかります」

足刺激前後の足裏の変化を確認してみましょう。血流がよくなって指先まできれいなピンク色になりました!

●足刺激前

●足刺激後

最後にらんさんに、足相診断を受けた感想を聞きました。

らんさん:「お腹の冷えが便秘の原因にもなっているとは驚きでした。じつはいま妊活中なのですが、お腹と同じように子宮も冷えていて、そのままだと妊娠しにくくなってしまうということを教えてもらえたのでよかったです。体を温めるために、お腹にカイロを貼るのはもちろん、気になっていたお灸もやってみたいと思います! 今まで自分の足にふれることはほとんどなかったのですが、もっと大切に扱ってあげたいと思います」

3週間の足刺激体験で、巡りがよくなって、肩こりやむくみ、便秘が少しでも軽くなるといいですね。次回記事では、その後の体調や足相の変化をくわしくお伝えします!

取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子

鈴木きよみ先生の足相学が1冊にまとまりました! 足をチェックするときに欠かせない、ゾーンMAPをはじめ、足の形、色、しわ、温度などのチェックポイント、各症状別の足相、そしてそれを解決すべきゾーンセラピーの方法などがわかりやすくまとまっています。初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身の体調管理を、足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。

『すべての不調は足裏をみればわかる!』(ワン・パブリッシング刊)

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