女子プロがショートウッドを抜いてUTにする理由は…?理由を徹底調査!

選手、キャディ、ツアー担当者に聞いた最新のセッティングトレンドは?

女子プロのクラブ選びをもっと詳しく調査したところ2024年の新しいトレンドが見えてきた!

コンパクトなUTはラフや傾斜でも使える

選手もキャディもツアーレップも「やさしいのはショートウッド」という意見は一致していました。ショートウッドとUTを比較すると打球が上がりやすくてミスに強いのはショートウッドですが、女子プロのレベルが上がったことで「やさしいショートウッド=球が上がりすぎる」という印象に変わってしまったようです。

また、プロは顔へのこだわりが強いので、ヘッド体積が大きいFWよりも、コンパクトなUTのほうがラフや傾斜地で構えやすいという選手も多かったです。とくに7Wのロフトになると、ターゲットに対してスクエアに構えるのが難しいという声もありました。

クラブが短いUTは芯に当てやすい

テーラーメイドツアーレップ貞包聡介さん

「3Wでもロフトが大きめ、15度より寝ているFWを使う選手が増えたことで、5Wが要らなくなった。また、UTのほうが“芯に当てやすい”という声が多いです」

パワーがあるから3UTでも球を上げられる

ダンロップツアーレップ松栄圭一郎さん(左)中原昭人さん(右)

「最近の若い選手はジュニア時代からUTを使っていて、パワーもあるから3UTでも球の高さをきちんと出せてグリーンで止められるようになりましたよね」

7Wのクラブを作る回数が減りました

キャロウェイツアーレップ島田研二さん

「確かに最近は5Wや7Wを作る機会が減りました。当社はFWとUTの中間の“UW”もあるので、5W以外のクラブの選択肢が増えたことも理由だと思います」

ジュニア時代から5Wよりも3UT

プロゴルファー石井理緒

「ジュニアのころから5Wは打球が上がりすぎて使いにくいと思っていたので、3UTを使っていました。3Wと3UTの飛距離の差は15ヤードくらいですね」

ダウンブローに打てる選手が増えた

プロキャディ栗永 遼さん

「一時期は7W、9Wを使う選手も多かった。でも今は、ダウンブローに打てる選手が増えたので高さよりも操作性を重視してUTを使うようになりました」

抜けのよさはFWよりもUT

プロキャディ先崎洋之さん(左)照井浩二さん(右)

「UTのほうが構えやすくて、ラフからの抜けもいいと思います。今はラフからでも出すだけではなく、グリーンを狙う時代なので選手はUTで攻めますね」

解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

構成=野中真一 写真=田中宏幸 取材トーナメント=樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント

© 株式会社 実業之日本社