“いいスコア”を引き出すコツは…?「ミスをしたときは…」とプロが解説

コンペや大事なラウンドはいいスコアを出したい。そのために「ふだんどおり、自分のゴルフをしよう!」と思うゴルファーは多いだろう。

しかし「ふだんどおりのプレーって何ですか?それって本当にふだんどおりですか?」とマスター今野。好プレーへとつながる “本当の自分らしさ” を出すコツを語る。

「ふだんどおりのゴルフ」は無自覚、無意識ではできない!

タツ 今年は年始からコンペ続きで数ラウンドしているんだけど、まったくいいスコアが出ない……

今野(マスター) コンペだから、と思って、ふだんどおりのプレーができていないのでは?

タツ なんか浮足立っちゃっているのかな? また来週コンペがあるから、今度はいつもどおり、自分のゴルフに徹したプレーを心がけてみるよ。

今野 具体的にいうと、どんなゴルフですか?

タツ 優勝争いしているプロが前日のインタビューでよくいう「目の前の1打に集中する。相手に影響されない。」とかだね。あとは、ミスをしてもすぐに気持ちを切り替えて前を向く。胸を張って歩くようにするよ!

今野 胸を張って歩くとポジティブな気持ちになる、自信がわいてくるという研究結果で出ていますが、タツさんはふだんからそうしてますか?

タツ いや。俺、猫背だから。

今野 相手に影響されないための策は?

タツ 干渉しない、されない。自分のことだけに集中する。

今野 胸を張って歩くのも干渉しないのも、タツさんのふだんのゴルフではないですね。お話好きのタツさんですから、同伴者と話をしない、話を聞かないのは、まったく自分らしくない。それにコンペで利己的なゴルフをしてたら、感じが悪いだけですよ。

タツ ということは、そもそも俺は「ふだん」がダメダメなのかい?

今野 そんなことないですよ。「ふだんどおり」でいいスコアが出ているときもあるじゃないですか。コンペという勝負どころで、いつもとは違った自分が出てしまう。だから自分らしく、と思うのはわかります。でも、ふだんどおりは、無自覚、無意識ではできないんですよ。

タツ 自然体でいたいのに、自覚しないといけない、意識しないといけないの⁉︎

今野 はい。ふだんどおりのゴルフをしていて、いいスコアが出たときに、自分がとった行動、発言、態度、心境など、何をしていたかを自覚する。そして、そのときのことを意識して行うのが、ツアープロがいう「自分らしいゴルフ」の正体です。

タツ いいスコアが出たときか……。何してたかなぁ。悪いことはよく覚えているけど、いいことはすぐ忘れちゃうんだよね。

今野 それもプロとアマチュアの違いかもしれませんね。プロは悪いことはラウンド中もラウンド後も早く忘れて、よいことだけを記憶し、それがなぜよくできたかを探求して再現できるトレーニングをしています。

タツ 自分らしさのよい部分を引き出し、実行するのもトレーニングが必要なのか。

今野 トレーニングというとストイックに感じますが、ふだんからいい結果やスコアは単によろこぶだけでなく「何をしたからよかったのか」を考えて、同じことを実行するクセをつけるだけでもいいですよ。

タツ 思い出した! 俺、いいスコア出すときは、だいたい何も考えてないわ(笑)

今野 私も準備しすぎ、作り込みすぎると返ってよくない。急に誘われたゴルフのほうが自分らしいプレーができて60台が出たりします。

タツ そういえば、ベストスコア更新したときは、靴を忘れてレンタルシューズでプレーしたなぁ。

今野 それは、まったくふだんどおりじゃないし、ただの怠慢です(笑)

ハイパフォーマンス、ロースコアが出たとき何してた?

「本来あるべき姿からズレてくると、体と心のあり方もゆがんできます。ラウンド当日は気負わず、ふだんどおりの自分でいることが大事ですが、そのふだんどおりは、“ ふだん ”から考えて自覚しておかないと実行できません。

とくにいいプレーができた日は、何があって、何をしていたかを覚えておくといい。強い、うまいゴルファーってそういうところに勤勉なんですよ」(今野)

いかがでしたか? ぜひマスター今野のアドバイスを参考にしてみてください。

マスター=今野一哉

●こんの・かずや / 1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ・RainbowFM(88.5MHz)の「サタマ二♪」(第2土曜 15:00-16:00 オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。

写真=鹿野貴司
イラスト=野村タケオ
協力=LaFace

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