「絶対に無駄な事はない」俳優・水上恒司さんトークショー 母校の創成館高で後輩を激励

体験談などを披露する水上さん=諫早市、創成館高

 長崎県諫早市貝津町の創成館高(奥田修史校長、818人)で2日、同校出身で俳優の水上恒司さんによるスペシャルトークショーがあった。体験談などを披露し「厳しい事もあると思うが夢を追って頑張ってほしい」と後輩たちを激励した。
 水上さんは福岡市出身。同校3年の野球部引退後、演劇部顧問の教師に誘われ役者の道へ。2018年にオーディションを経て俳優デビューした。21年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」や連続テレビ小説「ブギウギ」などに出演。昨年公開の映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」では第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞に輝いた。
 トークショーは体育館であり、奥田校長との対談形式で、同校での思い出や出演作品に込めた思い、撮影現場での裏話などをユーモアたっぷりに紹介。質疑応答では生徒からの「夢をかなえるには何をしたらよいか」の問いに「挫折した野球を通して得たもの全てにおいて、役者をやる上で、経験していて良かったと思う事はたくさんあり、失敗した経験が役立っている」と振り返り、「皆さんは悩みながら今生きていると思うが、絶対に無駄な事はない。努力の結果がすぐ出る事はないと思うが、辛抱や我慢強さを意識し頑張ってほしい」とエールを送った。
 3年の麻生こはるさん(17)は「将来について葛藤しているので、実際に憧れの世界で活躍している人の話を聞けてうれしい。前を向いて頑張っていこうと思う」と満面の笑みで話した。

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