【新装開店!ホンダ コレクションホール探訪②】「技術で世界に挑戦する」ために歩み始めた時代:創業~1970年代(2階南フロア) - Webモーターマガジン

ホンダの聖地のひとつ、ホンダコレクションホールが3月1日にリニューアルオープンした。その見どころを、6回に分けてお伝えする。パート5は3階の北フロアの展示内容について。ロボット、飛行機、新エネルギー車・・・これまで以上の領域へと、ホンダの「夢」は歩みを進めていく。

そこにあるのはいつだって「強い憧れ」

21世紀のホンダ、入り口で出迎えてくれるのは3人のASIMOだ。鉄腕アトムがきっかけという2足歩行ロボットである。

改良に改良を重ね最終型は身長130cm、体重48kgと人間に近いスペック。リニューアル前は1F南フロアでASIMOショーも行われていた。

市販車は3台。インサイトは1999年に登場したホンダ初のハイブリッド車。3気筒の1Lエンジン+モーターという構成で、アルミボディなどの軽量化、CD値0.25の空力とホンダ流の徹底ぶりがうかがえる。

並ぶFCXは2002年にリース販売された燃料電池車で最終ユニットはホンダ製だった。この思いは08年のFCXクラリティに受け継がれる。

そして01年登場のフィット。コンパクトながらガソリンタンクを助手席下に配したセンタータンクレイアウトで広く使いやすい室内空間を実現。このレイアウトはその後N-BOXなどにも採用され今もホンダの看板技術となっている。

F1は2台。第3期の2000年のB・A・Rホンダ006。04年には11回表彰台に上がるも優勝は叶わず。

低迷と苦難を経て手にした「大逆転」

第4期は15年からマクラーレンにPU(パワーユニット)供給するが実績が伴わず17年で関係解消。その後レッドブルグループと組む。

低迷と苦難を経て19年にマックス・フェルスタッペンが復帰後初優勝。そして21年の最終戦アブダビGPでの最終ラップでチャンピオンを手にした大逆転劇は記憶に新しい。

その21年のレッドブルホンダRB16Bがここにある。22&23年はドライバーもコンストラクターも制覇、23年からはマシンにHONDAのロゴが入る。

ちなみに第3期の始まりの98年、テストドライブを担当したのはヨス・フェルスタッペン、そうマックスの父だった。

バイクはモトGPの2台。V5エンジンのRC211Vは02年に16戦14勝、03年に16戦15勝を挙げたマシン。V4エンジンのRC213Vは現役マシンで、2190万円で公道モデルをリリースしたことでも話題となる。そしてエアバッグとDCTを初搭載したビッグバイクのゴールドウイングも展示する。

見上げれば「HONDA」。宗一郎の夢が今、叶う

このフロアで取りを務めるのがホンダジェットだ。模型のほか、展示パネルで誕生からの現在まで経緯を解説する。

ホンダ エアクラフト カンパニーが手掛けるホンダジェットは翼上エンジンが特徴で、2010年に型式取得し世界の空を飛ぶことになる。

22年登場の最新モデルはエントランスにあるエリートⅡで、搭乗定員7名、最高巡行速度は782km/h、燃費改善で2865kmの航続距離を誇り、プライベートジェットではトップセールスを続ける。

本田宗一郎は小5の時、浜松でアメリカ人パイロットによるアクロバット飛行を見物する。以来「いつかは飛行機を」と思ったという。その“夢”が今叶っているのだ。

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