浙江省紹興市越城区倉橋直街の店で七輪を囲んで紹興酒を楽しむ若者。（3月13日撮影、紹興＝新華社記者/翁忻暘）
【新華社北京5月4日】中国南西部に位置する西蔵自治区ラサ市では今年に入り、新エネルギー車（NEV）の販売台数が顕著に増加している。
市商務局のデータによると、ラサの第1四半期（1～3月）の新エネ車販売台数はすでに自治区の23年通年の販売台数の43.0％に相当した。
中国自動車流通協会のデータによると、1～3月の新エネルギー乗用車小売台数は約30.0％増加した。新車販売に占める新エネ車の割合は3月単月では41.6％に上り、前年同期より7.6ポイント上昇した。アナリストはこれについて、中国の消費が活力を持続していることだけでなく、消費の新たなトレンドも示していると分析する。
中国の1～3月の社会消費財小売総額は前年同期比4.7％増の12兆327億元（1元＝約22円）で、販売は安定した増加傾向を維持した。特に中国の文化観光市場、新エネ車、電力・クリーンエネルギーなどに関するサービス消費とグリーン（環境配慮型）消費が急速に伸び、グリーン消費が人々の間に広がった。
中国政府と企業は産業構造と消費構造の調整・最適化に努めている。グリーン消費は中国経済の質の高い発展を力強く推進し、経済・社会の発展により大きく総合的な効果と利益をもたらしている。
安徽省黄山市黟県の宏村を訪れた観光客。（4月24日、小型無人機から、黄山＝新華社配信/施亜磊）
中国安徽省黄山市。かつて徽州と呼ばれたこの地の景色はどこも美しく、中でも中国伝統建築様式の一つ「徽派建築」は秀麗な山水の間に描かれた変化に富む一筆といえる。徽州三絶と呼ばれる民家、祠堂、牌坊（はいぼう）は周辺の山々と美しい景観を織りなし、建物に施された木彫や石彫、磚彫（せんちょう、れんが彫刻）は画竜点睛の筆として、人々の徽州文化への思いを引きつけている。（合肥＝新華社配信/施亜磊）
中国人の移動需要も今年の消費回復の見どころの一つとなり、1～3月の休日の移動者数と観光収入はいずれも2019年同期の水準を上回った。地方各地はネットで注目を集めるブランドを生み出すことで娯楽関連消費を促し、サービス業と経済の回復を力強く支えている。
北京市統計局の朱燕南（しゅ・えんなん）副局長は「元旦、春節（旧正月、今年は2月10日）、清明節（今年は4月4日）の休日消費が活況を維持し、サービス消費は2桁増を実現した」と述べた。
北京の1～3月の総消費額は5.8％増え、伸び率は23年同期を3.0ポイント上回った。新エネ車の小売売上高は18.9％増加した。
国務院発展研究センター市場経済研究所の陳麗芬（ちん・れいふん）研究員は、帰省や墓参りと旅行を組み合わせるといった休日消費の新しい形態が続々と現れ、文化観光消費の連鎖が長くなり、業界をまたぐ融合的発展を後押ししているとの見方を示した。
安徽省合肥市の万象城ショッピングセンターで新エネルギー車（NEV）を見学する来場者。（2月11日、合肥＝新華社配信/楊元）
新エネ車や文化観光市場などの消費が盛り上がるだけでなく、エネルギー生産が盛んな省・直轄市・自治区では電気・クリーンエネルギー消費も経済の新たな成長分野になりつつある。
四川省は1～3月にエネルギーのクリーン・高効率利用で顕著な成果を収め、電気・クリーンエネルギーの消費の伸び率が石炭を大きく上回った。一定規模（主要業務の年間売上高2千万元）以上の工業企業のエネルギー消費量の伸びは0.1％にとどまり、比較的少ないエネルギー消費量で高めの経済成長を支えた。
消費潜在力の喚起が加速し、経済成長に対する消費の「メインエンジン」としての役割がさらに強まった。新型サービス業の活力が持続的に発揮され、「新たな質の生産力」（科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力）の発展ペースも加速した。
中国の1～3月の実物商品オンライン小売売上高は11.6％増加し、社会消費財小売総額に占める割合は23.3％となった。1～2月の一定規模以上のハイテクサービス業企業の売上高は13.8％増、科学技術サービス業企業は14.0％増加し、伸び率は一定規模以上サービス業企業をそれぞれ1.8ポイント、2.0ポイント上回った。
国家統計局の盛来運（せい・らいうん）副局長は、消費市場は上向き基調を維持していくとの見方を示し、「今後は経済が回復し、上向くための土台を固め、個人消費の能力と信頼感を高める必要がある」と語った。
