「剥がされてもすぐに戻ればいい」満田誠が明かす“ハイプレスの極意”。サンフレッチェ広島が好調の要因は?

サンフレッチェ広島で在任3年目のミヒャエル・スキッベ監督の下、満田誠はどんな成長を実感したのか。

「プレーの幅が広がったことですかね。ボランチ、シャドー、サイドでそれぞれ求められる役割、プレーの選択が違います。ボランチを数試合やったあと、シャドーに戻るとそれなりの難しさは感じるので、そうした経験を積むことでいろんなものを吸収できていると思います」

スキッベ体制3年目、広島はここまで好調をキープ。上位に食い込んでいる要因を訊くと、満田は次のように答えた。

「最大のそれはキーパーを含めた守備陣の安定感。だからこそ前の選手が多少入れ替わっても崩れない。後ろの選手があれだけ頑張ってくれているので、僕たちも前からプレスに行けます」

MFの川村拓夢も「後ろがしっかりと守ってくれる」と証言しているように、広島のディフェンスは強固だ。満田は語る。

「基本的に1対1の状態で90分間守れる守備陣は国内でもいないと思います」

では、守備陣の負担を減らす意味で、満田がハイプレスに行く際に心がけているのは何か?

「プレスに行って剥がされた時に戻るのが一番きつい。ただ、自分は『剥がされてもすぐに戻ればいい』という意識でやっています。それこそ、剥がされたところから相手を追うだけでもプレッシャーになるので。もちろん行けばいいってわけじゃなくて、自陣でプレスをかける時はやり方を変えますけど、基本的に前線からのプレスは剥がされてもいいマインドでやっています」

複数のポジションをこなしているからこそ、そういうマインドになるのだろう。スキッベ監督の指導により、万能戦士に進化しつつある満田の成長はなんとも頼もしい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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