本音の部分では昔から変わっていない― 韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」から考えるジェンダー平等

上映会とフリートークでジェンダー平等などについて考えたイベント=小田原市生涯学習センターけやき

 ジェンダー平等について考えようと、男尊女卑社会を鋭く描いた韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」の上映会とトーク会がこのほど、小田原市生涯学習センターけやき(同市荻窪)で開かれた。母親の視点から社会的な課題を考える「西湘母親大会」実行委員会の主催で市民ら67人が参加した。

 映画は、韓国で大ベストセラーになった同名小説が原作。1982年生まれの韓国人女性が、家族、学校、会社、結婚、子育てといったライフステージで出合うさまざまな差別や困難を描く。

 上映後には参加者同士のフリートークが行われ、「今の社会で男女平等は建前としては成立しているが、本音の部分では昔から変わっていないのでは」「家族から『女の子だから短大でいいよね』と言われて育った」「身の回りから『女はこうあるべきだ』などの考え方をなくしていくことが大事」などの意見が上がった。

 南足柄市から参加した女性(78)は「女性が家にいて男性が外で稼ぐというモデルが当たり前の感覚は今も社会に残っている。お互いに認め合えるように変えていかなければいけない」と話した。

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