政府把握なく沖縄での米軍訓練にオランダ軍参加

 琉球新報が3月中旬に米軍北部訓練場で実施した米海兵隊訓練に、オランダの海兵隊が参加していたことが分かったと4月30日、報じた。米海兵隊が公式ウエブサイトにオランダ海兵隊の参加を投稿した。後にオランダ海兵隊の部分が削除されたという。これに関して沖縄防衛局は琉球新報の取材に対し「承知していない」と答えたという。

 日本政府が把握してない中で米軍判断のみで第3国の軍隊が沖縄県内の基地を利用したことになる。

 琉球大学の山本章子国際法政学科准教授はXでこの件について「日米地位協定第3条では米軍に基地の排他的な管理権を与えています。したがって、米軍が許可をすれば、日本政府の許可を得なくても、あるいは地元自治体の許可を得なくても、在日米軍基地を他国の軍隊が使うことは可能になってしまう…」と投稿した。

 立憲民主党の小西洋之参院議員は1日「日本の同意なく米軍が日本国内で他国軍と共同訓練ができる訳がありません。政府に事実関係を確認し、問題について国会で取り上げたいと思います」とGW明け国会で政府に問い質す考え。

 SNS上では「日本に無断で、日本の国土に、米国がオランダの軍隊を勝手に呼び寄せたっていう形ですよね。これが許されるなら、米国の気ままで呼び寄せた他国の軍隊に、沖縄がいつ占領されるか分かったもんじゃない。『北朝鮮がミサイルを発射した』というニュースの1000倍ゾッとします」との投稿もあった。

 真相並びに山本准教授の指摘通りであれば地位協定見直しも必要。これが通れば「主権国家」とは言えない。国会での議論が待たれる。(編集担当:森高龍二)

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