国東市が国見町に認定こども園新設を計画 市立の3幼稚園と2保育所を廃止【大分県】

認定こども園に統合されることになった竹田津保育所=国東市国見町
認定こども園に統合されることになった熊毛保育所=国東市国見町

 【国東】国東市は国見町エリアに認定こども園を新設する計画を明らかにした。同町は市内4町で人口減のペースが最も速く、未就学児の数も減っている。2026年4月をめどに、町内にある市立の3幼稚園と2保育所を廃止し、こども園に統合することで幼児保育・教育環境の充実を目指す。

 市によると、竹田津、熊毛、国見中央の3幼稚園はそれぞれ17、18、21年の4月から休園。私立の伊美保育園も24年3月末で休止した。町内で小学校入学前の子どもが通えるのは竹田津(先月1日時点で20人)、熊毛(同7人)の両保育所のみ。いずれも施設の老朽化が進んでいる。

 市は子どもの減少に伴い、19年から幼児教育の在り方を検討してきた。保護者らを対象に意見交換会も実施。出席者からは「今の先生と離れさせたくない」「園バスは導入してもらえるのか」といった質問が出たという。市は「一定の人数がいる中で、子どもたちの成長を促すのが好ましい」などの理由から、こども園の整備を決めた。

 こども園は、国見中央幼稚園を取り壊して跡地に整備する予定。24年度中に建物の設計に着手する。

 保育所に通う子どもがいる同町の30代女性は「1カ所になるので送迎が大変になるかもしれない。ただ、現状を考えると仕方ないのでは」と受け止める。別の30代女性は「国見中央幼稚園は敷地が狭く、伸び伸び遊べないのではないか。十分な説明がないまま、いつの間にか統合が決まった印象」と困惑顔で話した。

 市子育て支援課は「国見地域の保育環境を充実させ、移住者にも魅力的な選択となるようにしたい。小規模園の良さもあるが、一定の人数がいる中で学ぶメリットも大きいと考えている。各施設の老朽化が進んでおり、関係者に理解してもらいたい」と語った。

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