五輪出場を決めたU23日本代表 OA枠の採用もあり本大会メンバー入りの競争は激戦必至

サッカーU23日本代表 写真:長田洋平/アフロスポーツ

サッカーU23日本代表がアジア王座に就いた。

5月3日、ドーハで行われたU23アジアカップ決勝でU23ウズベキスタン代表に1-0で競り勝ち、2016年大会以来4大会ぶり2度目の優勝を達成。

すでに8大会連続での出場を決めていた今夏のパリ・オリンピックには、アジア王者として出場する。

大岩監督は、「非常に難しい試合だった。ウズベキスタンの圧力に押されたが、選手たちが90分の中で攻守にしっかりと責任を果たしてくれた」と安堵の表情を見せた。

試合後の表彰台で、喜ぶ選手たちから促されて優勝トロフィーを受け取った指揮官は、歓喜の輪の中央で高く掲げてタイトル獲得を祝った。

大岩監督は、決勝ゴールを決めた山田選手とPKを止めた小久保選手について「山田が決めることも怜央が止めることも予想はするが、結果として現れた。これは本当に彼ら自身の力」と評価した。

「PKになった瞬間は、怜央が止めると信じていた」と振り返り、「後押ししてくれた、周りでサポートしてくれた人たちのパワーが乗り移ったのでは」と話した。

チームの立ち上げから86人を招集してチーム作りを行い、今大会でも招集した23人でGK山田大樹選手(鹿島)を除いた22人を起用して6試合を戦い抜いた。「誰が出ても戦えるチーム作り」を実践した。

大岩監督にとっては、鹿島を率いていた2018年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝以来、2度目のアジア主要タイトル制覇となったが、「私だけ(の力)ではなく、チームが成果を結果に変えた」と述べた。

「アジアで勝つのは非常に難しい」と語り、決勝という舞台ではPKなど想像を超えた展開も起こると考えて臨んだという。その中で手にした優勝に、「勝利は選手だけでなく、スタッフや裏方があってのこと。

そういう組織作りは慎重に進めてきた。優勝はスタッフと選手たちが一体となって、この大会へ向けて全力を尽くした結果だ」と、全員の努力を称えた。

今大会の結果、優勝した日本はパリ・オリンピックの組み分けでD組に入り、7月24日にパラグアイ、27日にマリ、30日にイスラエルと対戦。第1戦、第2戦はボルドー、第3戦はナントにて全てナイターで行われる。夏の暑さを考えると好条件と言える。

なお、準優勝のウズベキスタンはC組でスペイン、エジプト、ドミニカ共和国と同組。

3位決定戦でインドネシアに延長2-1で競り勝ったイラクはB組でアルゼンチン、モロッコ、ウクライナと同組で戦うことになった。

インドネシアは最後の1枠を懸けてアフリカ予選4位のギニアと5月9日にフランスで行われる大陸間プレーオフを戦う。

U23日本代表は今後、7月24日に始まるパリ本大会へ向けて、3か月弱という短い時間で選手の絞り込みや、本大会での対戦相手を睨んだ強化に取り組むことになる。

今大会は23人だったが本大会のチーム編成は18人。オーバーエイジ枠の採用もあり、23歳以下の選手にとっては本大会メンバー入りの競争は激戦必至だ。

アジアタイトル獲得でオリンピック出場権獲得に華を添えたが、本大会へ準備は待ったなしだ。

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