行き先表示「見づらくなった」 情報充実も不評? 長崎バスが改善検討

長崎バスの行き先表示。上が変更後、下が変更前(長崎バスのHPより)

 長崎自動車(長崎県長崎市、長崎バス)の路線バスの行き先表示が「見づらくなった」という声が、長崎新聞の情報窓口「ナガサキポスト(ナガポス)」に複数件寄せられた。県外からの観光客に分かりやすいように4月から変更したが、情報を充実させたことで、逆に見づらく感じる人がいるようだ。同社も「不評」を受け、改善を検討している。
 行き先表示は3月末まで、左側に大きな文字で行き先を、右側に小さな文字で経由バス停を2~3列表示していた。4月以降は全体を3列に分け、中央に行き先、上に主要な観光地、下に経由バス停を表示。観光地情報は、観光客が利用しやすいように新たに加えた。経由バス停は、通過した後には表示が消えるようにした。「時津」などのエリア表示も追加した。

4月から変更になった長崎バスの行き先表示。上部に観光地、下部に経由地を表記している=長崎市内

 行き先の文字は一番大きいが、情報が増えたために、以前よりやや小さい。ナガポスに投稿した男性は「目の前に(バスが)来るまで行き先が分からない」と苦言。別の60代男性は「(観光客にわかりやすくという)意図は理解できるが、前の方が見やすい」と不満をもらした。「祖母が行き先を見ようとバスに近づき、はねられそうになった」という人もいた。
 長崎バスの担当者は取材に「分かりにくいという声は承知している」。一方で観光事業者から「観光客に案内がしやすくなった」など好意的な声もあるという。「年配の方を中心に『見えにくい』という声がある。どのような形式になるかは明かせないが、改善に向けて検討している」と述べた。

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