男子テニス世界2位のシナーが股関節の負傷で母国「イタリア国際」欠場発表!「回復が間に合わないのはとても悲しい」<SMASH>

男子テニス世界ランク2位のヤニック・シナー(イタリア)が5月4日に自身のSNSを更新し、来週母国で開催されるツアー大会「イタリア国際」(5月8日~19日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)を股関節の負傷により欠場すると発表した。

四大大会に次ぐグレードを誇るマスターズ1000大会「ムチュア・マドリード・オープン」(4月24日~5月5日/スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)に、自身初となる第1シードで臨んでいた22歳のシナー。

だが、大会では試合を重ねるごとに股関節の状態を悪化させ、現地2日に予定されていたフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/世界ランク35位)との準々決勝を棄権。8日に開幕する「イタリア国際」までの回復が見込めないようで、苦渋の決断を強いられることとなってしまった。

今回の投稿で「このメッセージを記すのは簡単なことではありませんが…」と切り出したシナーは「股関節の問題について医師や専門家と再度話し合った後、残念ながらローマではプレーできなくなったことを発表しなければなりません」と報告。「自分の中でも一番好きなトーナメントの一つなので回復が間に合わないのはとても悲しいです。母国に戻って、イタリアの観衆の前でプレーするのが待ちきれませんでした」と無念の思いを綴った。
続けて今後のプランとして「数日間はローマに滞在し、大会(イタリア国際)にも顔を出す予定です」と伝え、最後にはファンへの感謝の気持ちをこう綴った。

「応援のメッセージをありがとうございます。とても感謝しています。これから全仏オープン(5月26日~6月9日/フランス・パリ/クレー/四大大会)に向けて準備するために、チームや医師たちと協力していきます」

1月の全豪オープンでの四大大会初優勝を含め今季はすでに3つのツアータイトルを獲得し、通算成績でも28勝2敗と驚異的な数字を残しているシナー。ただそれだけ数多くの試合をこなしてきたため、身体には大きな負担がかかっていたようだ。自国ファンの前でプレーできないのは心底つらいかもしれないが、今回の欠場はこれ以上ケガを悪化させないための賢明な判断だと言えるだろう。

すでに一部報道にもある通り、今年の「イタリア国際」はシナーの最大のライバルであるカルロス・アルカラス(スペイン/2位/20歳)も右腕の負傷で出場辞退を表明している。2人の若きニューヒーローの1日も早い回復を祈るばかりだ。

文●中村光佑

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