「自分の鉄道だと思って」肥薩線“川線”の鉄道復旧で基本合意の裏にトップ会談 残る“山線”はどうなる

JR九州の古宮洋二社長は、4月25日の定例会見で肥薩線の鉄道復旧の基本合意について「熊本県を中心とした地元のマイレール意識の姿勢が決め手だった」と話した。
また、肥薩線の人吉-吉松間のいわゆる「山線」については「鹿児島・宮崎にも参加してもらい会議を開催したい」と述べた。

古宮社長が蒲島前知事に会談申し込む

肥薩線は2020年7月の豪雨で甚大な被害を受け、現在も一部区間が運休。国と熊本県、JR九州の3者による検討会議で、4月3日に肥薩線の八代-人吉間のいわゆる「川線」を鉄道で復旧することで基本合意した。

この基本合意の裏には、古宮社長が当時の蒲島知事へ会談を申し込み、トップ同士の話し合いが行われていて、JR九州の定例会見で古宮社長は「ぜひマイレール意識を。地元の沿線の人が肥薩線を自分の鉄道だと思ってほしい、と。そういった案を出してほしいと(蒲島)前知事にお願いに行った。マイレール意識を持って日常から使おうという案が出てきたことが判断材料として一番大きかった」と話した。

また、古宮社長は「最終合意に向け、精力的に話をしたい」と述べ、保安装置などの課題はあるとした上で、くま川鉄道との連携についても「互いの利用促進のためにも将来的な一つの手段」と前向きに捉えた。

「鹿児島・宮崎も参加して会議を」

一方、残る運休区間の人吉-吉松間のいわゆる「山線」については、「鹿児島・宮崎にも参加してもらい会議を開きたい」と述べた。

JR九州によると、人吉-吉松間は被災前の1日の利用者は100人程度、年間3億円の赤字路線だったということだ。

また、古宮社長は、肥薩線の復旧費235億円について「運休中の八代-吉松間全体の復旧費」と話し、「川線と山線で分けて計算はしていない」と述べた。

(テレビ熊本)

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