テニス界の若き女王シフィオンテクが3時間超えの決勝を制してマドリード優勝!「この結果は大きな意味を持つことになると思う」<SMASH>

女子テニスツアー「ムチュア・マドリード・オープン」(4月23日~5月5日/スペイン・マドリード/クレーコート)は現地5日にシングルス決勝を実施。第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド/世界ランキング1位)が、第2シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同2位)を7-5、4-6、7-6(7)のフルセットで下し、今季3勝目並びに節目のツアー20勝目を飾った。

昨年のマドリード決勝でも対戦した両者。この時はサバレンカがシフィオンテクに6-3、3-6、6-3で勝利し、2年ぶりのマドリード優勝を手にしていた。1年越しの再戦が実現した今回の決勝は、前回をはるかに上回るクオリティの攻防が繰り広げられたが、シフィオンテクが驚異の粘りを見せてリベンジを果たした。

立ち上がりの第1、2ゲームで互いにブレークを取り合うと、以降はキープが続く緊迫の展開となる。そして5-5で迎えた第11ゲーム、シフィオンテクは正確なリターンを軸にポイントを重ねブレークポイントを取得。これをしっかりと取り切り、直後の第12ゲームをキープして接戦の末に第1セットを先取する。
しかし第2セットでは3度のサービスダウンを喫してセットオールに持ち込まれると、ファイナルセットでもシフィオンテクが第4ゲームで先にブレークを献上。それでも続く第5ゲームですかさずブレークバックに成功し、苦しい状況ながらも相手に食らいついていく。しかし5-6で迎えた第12ゲームでは、サバレンカに3度のブレーク及びマッチポイントを握られ絶体絶命のピンチに立たされる…。

それでもここは22歳の女王が全て凌ぎ切って意地のサービスキープ。タイブレークも取って取られてを繰り返す激しい展開となったものの、最後はシフィオンテクが2度目のマッチポイントを生かし切り、3時間を超える死闘に終止符を打った。

試合後のインタビューでシフィオンテクは次のように喜びを語っている。

「おそらく数年後に振り返ったとき、この結果は大きな意味を持つことになると思うわ。でもとにかく今はこのトーナメントで優勝できたことだけがうれしい。以前勝ったかどうかは私には関係ない。プレーする全ての大会で勝つように努めている」

シフィオンテクにとっては、3週間後に迫る「全仏オープン」(5月26日~6月9日/フランス・パリ/四大大会)での大会3連覇に向けて弾みのつく結果となったことだろう。今後も絶対女王のさらなる活躍を期待したい。

文●中村光佑

© 日本スポーツ企画出版社