地域観光拠点へ意欲 事業承継で新体制に 一関・祭畤温泉かみくら

新体制で再出発するかみくらで決意を示す木皿社長

 一関市厳美町の祭畤温泉かみくらは、新体制で再出発した。イベント企画・運営などを手掛けるニア(仙台市、木皿譲司代表取締役社長)が事業承継。本館のリニューアルなども計画し、地域の観光拠点(ハブ)を目指していく。

 かみくらは、2008年に前事業者の経営破綻を受け、コウミ観光産業が建物、土地を取得して営業を開始。美人の湯ともいわれる柔らかな肌触りの温泉が人気で、日帰り、宿泊営業を行ってきたが、事業承継先を探していた。

 一方、奥州市出身の木皿社長は、仙台で起業し全国でサービスを展開していたが「地元でもビジネスで貢献したい」と考えていたという。青年会議所の活動を通じて一関の若手経営者らとさまざまなプロジェクトに取り組む機会があったことを縁に、一関への進出を検討。自らが行っているイベントコンテンツを生かしながら旅館経営に乗り出すことにし、マッチングが図られた。

 今年1月にM&A(合併・買収)による事業承継に関する契約を締結し、3月に新体制での営業を本格的に開始。木皿社長がコウミ観光産業の代表取締役社長に就任し、佐藤奈保美前社長も取締役として残った。ニアがさまざまな企画を担い、コウミ観光産業が旅館を運営する。

© 岩手日日新聞社