放し飼いのタンチョウに今春6羽目のひな誕生 中国黒竜江省

放し飼いのタンチョウに今春6羽目のひな誕生 中国黒竜江省

4月28日、扎竜国家級自然保護区の湿地で生まれたタンチョウのひな。(チチハル=新華社配信/徐恵)

 【新華社ハルビン5月5日】中国黒竜江省チチハル市の扎竜(ジャロン)国家級自然保護区にある湿地で4月28日、タンチョウのひな1羽が誕生した。同保護区ではタンチョウを放し飼いにしており、今春生まれたひなは合わせて6羽となった。

 保護区管理局のツル観察チームでリーダーを務める徐恵(じょ・けい)さんによると、タンチョウの繁殖期は毎年3月中旬~6月中旬で、通常は年に2個の卵を産む。職員は繁殖状況を毎日確認する。

 徐さんは「雄と雌が交代で卵を温め、33日後にひなが卵の殻を破り誕生した」と話し、湿地で放し飼いされているタンチョウは人工飼育を経た「移行個体群」だと説明した。子孫は成長後、野生に戻されるという。

放し飼いのタンチョウに今春6羽目のひな誕生 中国黒竜江省

4月28日、扎竜国家級自然保護区で放し飼いにされているタンチョウのつがいと生まれたばかりのひな。(チチハル=新華社配信/徐恵)

 保護区はひなが良好な環境で健康に育つよう、繁殖期に詳細な保護計画を策定し、産卵する個体を追跡観察している。また、足環による系譜情報管理を継続的に強化し、個体数、分布エリア、育雛状況を明確にして野生復帰と飼育を適切に実施する。

 同保護区は世界最大の面積を持つタンチョウの生息・繁殖地で、最大規模の野生化訓練拠点でもある。1980年には野生環境下に放し飼いにしたタンチョウの自然繁殖と人工飼育に成功した。これまでに千羽以上の人工飼育を行い、380羽以上が野生復帰した。(記者/張玥)

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