神奈川・大磯に6神社集う「相模国府祭」 神社同士の一番競う「座問答」再現…結論はいかに

虎の皮を用いてかつての論争が再現された座問答=5日、大磯町国府本郷

 旧相模国の6神社が集まる「相模国府祭(こうのまち)」が5日、神奈川県大磯町内で執り行われた。神社同士が一番を競う「座問答(ざもんどう)」などが行われ、国家安泰や五穀豊穣(ほうじょう)などを祈った。

 祭りは千年以上の歴史を有するとされ、県の指定無形民俗文化財に指定されている。相模国の一之宮・寒川神社(寒川町)、二之宮・川勾神社(二宮町)、三之宮・比々多(ひびた)神社(伊勢原市)、四之宮・前鳥(さきとり)神社(平塚市)、平塚八幡宮(同)と六所神社(大磯町)が集い、大磯町国府本郷の神揃(かみそろい)山や馬場公園で神事が披露された。

 神揃山では祭りの見どころの一つ、寒川神社と川勾神社が一番大きな神社の地位を巡って起きた論争を儀式とした「座問答」が行われた。両社が互いに自分の虎の皮を3度押し進めることで自らの上位を示す儀式で、仲裁役が「いずれ明年まで」と円満解決を促すと、会場内は拍手に沸いた。

 茨城県から訪れた70代男性は「虎の動きが面白かった。結論を先送りするところはいかにも日本人らしい」と話していた。

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