【子どものメンタルケア】五月は子どもたちの疲れがどっと出る時期!親はどうサポートすればいい?

「五月病」「とまどい」「緊張」子どもの抱えるストレスを和らげる方法

新年度がスタートして1カ月が経とうとしています。クラス替え、新しい担任の先生、進学等で人間関係を一から構築しないといけない。楽しみと不安が押し寄せたこの1カ月で子ども達はたくさんの出会いを経て少しずつ環境に慣れ始めてきます。

そんな5月は親としては気になる「五月病」と称されるメンタル不調や、様々な症状が出ることがあります。

何かと気が張る4月が終わり、疲れが出てしまい心や体に変化が起きてしまい学校への登校だけでなく日常生活にも支障をきたす場合もあります。

そこで今回は大型連休明けから一気に疲れが出たり、メンタルヘルス不調でストレスを感じている子どもへのサポートをご紹介していきます。

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【子どものメンタルケア】すでに頑張っている子どもに「頑張ること」を強要しない

小倉將信(まさのぶ)内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)より、毎年5月を「孤独・孤立対策強化月間」とし、孤独・孤立についての理解・意識や機運を社会全体で高めていくことが発表されている。

今年4月7日には、小倉將信(まさのぶ)内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)より、毎年5月を「孤独・孤立対策強化月間」とし、孤独・孤立についての理解・意識や機運を社会全体で高めていくことが発表されました。

その発表の中でも、「新年度に入って1カ月もすると、子どもや若者が新しい環境の中で様々な困難に遭遇をする時期でもある」との発言があります。

新しい環境に身を置くと、ついつい頑張りすぎるのは大人も子どもも同じです。

友達を早く作ろうと声をかけたり、相手に合わせたりしていると絶えず気疲れをしてしまいます。また、周囲でグループが出来上がってきていると「友達ができなくなる」と焦ってしまうこともあります。

同じ学年であってもクラス替えでメンバーが変われば人間関係も変わります。子どもは一年間を無事に過ごせるよう、人間関係を気にしつつ、4月中を過ごしています。その一方で、慣れてくればお互いに本音を口にして傷つく、傷つけてしまうこともあるなど反省点も出てきます。

頑張って慣れようとしているけれど、全てが上手くいくとは限りません。思い悩んで食欲が湧かない、口数が減るという明らかに分かるような変化が出る時期です。新しい人間関係構築、環境に慣れようと試行錯誤を繰り返し、頑張ろうとしている子どもがボーっとしている、勉強の取り組みが遅くなっていても決して「頑張りが足りない」と叱責しないようにしましょう。

頑張っているのに頑張れと言われるほど辛いものはありません。

ただでさえナイーブな時期に親にそんなことを言われれば疎外感を感じてしまい、家庭での居場所がなくなっていると受け止める子もいます。

4月に目一杯頑張った子どもが疲れている時は「新しい中でも頑張っているね」「子どももやはり疲れるよね」という声がけをするようにしてください。

【子どものメンタルケア】休日の過ごし方を子どもに任せてみる

言いたいことを言える子もいれば、なかなか思っていることを親に伝えられない子もいます。

子どもが元気がない様子を見ると、親は心配をし、休日に子どもの好きな場所に出向き家族で楽しく過ごしてリフレッシュさせようと色々と考えることもあります。

しかし、疲れている時は休息が必要な時もあります。

楽しいけれど遠出をすることでさらに疲れが蓄積してしまうこともあるので「週末のお出かけは秘密にしといて、サプライズ演出をする」「予定を教えずに子どもを驚かせたい」というのは一旦ストップしてみましょう。

子どもの五月病を改善、症状を和らげることを目的とするならば、休日をどんな風に過ごしたいのか子どもに聞くのも対処法の一つです。「こういうことをしたい」という希望を叶えられる範囲で実行してください。疲れていると親も知っている「子どもの好きな場所」に出かけても楽しめないことがあります。

もし「一日中ダラダラと家で過ごしたい」と言ってきても決して「そんなことしたいの?」と否定せず、宅配サービスでピザなどを頼んだり、本や漫画、映画鑑賞などをしていつもとは違う休日を過ごしてみるのも五月病対処法になります。

アクティブな親からすると物足りなさを感じるかもしれませんが、子どもが心身ともに健康な状況に戻るためにも、子どもの気持ちを慮ることなく休日の予定を組むのは控えてください。

【子どものメンタルケア】焦らさず時間をかけて、いつも以上に子どもの話に耳を傾ける

新年度が始まり、連休明け頃は特に我が子の「いつもと違う様子」に気がつくように意識したい。

子どもの個性は十人十色で言いたいことを言える子もいれば、なかなか思っていることを親に伝えられない子もいます。

感じたことをすぐに口にできる子は原因が分からなくても疲れていることや不安なことを親に話すことができます。それを聞いた親は「4月は忙しくて大変だったよね」と色々と話をして不安を解消することに繋げられます。

しかし、自分の殻に閉じこもってしまう子や言葉にするのが苦手な子、親に察してもらいたい子は「やる気が出なくて困っている」「クラスに馴染めるが不安」という心に抱えている思いをストレートに口にすることができません。

また、弱音を吐くと「頑張っていない」と親から叱られるのではないかと心配し、口にできない子もいます。

どんな子も多かれ少なかれ新年度がスタートした時はいつも以上に頑張ります。その反動が出てしまうのがちょうど大型連休明けの5月になります。

連休中は元気だけれど、後半になり「明後日から学校」というタイミングから急に元気がなくなると親も心配してしまいます。

学校でトラブルが起きていなくても、「なぜか元気が出ない」「ぐっすり眠れない」という症状が子どもに出るのは珍しいことではありません。子ども自身が「どうしてか分からない」という気持ちを抱いている時期、親は積極的に寄り添い、声かけをしましょう。

抱えている問題を上手に話せない、口に出すまで時間がかかる子は焦らさず時間をかけて話を引き出すようにしてください。

「学校でも気を遣うことがあるよね」「担任の先生にはまだ慣れないかな」と優しく話しかけて親子の会話時間を増やすことも対処法の一つです。

【子どものメンタルケア】回復する気配がない時は専門機関に相談することも考える

文部科学省のHP「子供のSOSの相談窓口」では、内容に応じてさまざまな相談窓口が設けられている。

大人でも、新しい環境、人間関係を作る時は気を使って知らぬ間にストレスが溜まり「やる気がでない」「寝つきが悪くなった」「食欲がない」という変化が起きます。子どもだと、いつもとは違うことを上手く表現できず、何事もないように過ごすことがあります。

新年度が始まり、連休明け頃は特に我が子の「いつもと違う様子」に気がつくように意識しましょう。

五月病は新しい環境に慣れてくると徐々に回復し、学校生活や日常生活を以前のように送るようになります。

しかし、中には回復する気配がなく、症状が深刻化することも起きます。その際は、学校のカウンセラーの先生に相談することや、子ども向けの心療内科を受診することも考えましょう。

子どもはすくすく成長するというイメージが強いですが、近年は小児の精神面の不調に特化した病院もあります。「そのうち回復する」と軽く思わずにカウンセラーの先生や専門医の力を借りることも必要です。

参考資料

  • 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」
  • こども家庭庁「小倉大臣記者会見要旨(令和5年4月7日(金)9時30分から9時39分まで 於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)」

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