中国での価格競争には加わらないとしていたスタバ、「価格面で譲歩も成功せず」と台湾メディア

台湾メディアの中時新聞網は2日、中国での価格競争には加わらないとしていた米コーヒーチェーン大手スターバックスが価格面で譲歩したものの成功しなかったとする記事を掲載した。

台湾メディアの中時新聞網は2日、中国での価格競争には加わらないとしていた米コーヒーチェーン大手スターバックスが価格面で譲歩したものの成功しなかったとする記事を掲載した。

記事によると、中国のコーヒー市場で競争が激化する中、スターバックスの創業者、ハワード・シュルツ氏は3月に訪中した際、「価格競争には加わらない」と強調していた。

中国発のコーヒーチェーン、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)は2023年に中国での売上高で初めてスターバックスを上回って中国市場で最大のコーヒーチェーンとなった。ラッキンは1杯9.9元(約218円)のキャンペーンで、1杯30元台のスターバックスをトップの座から引きずり降ろすことに成功した。

中国のコーヒー市場で「9.9元の価格競争」が常態化する中、スターバックスもオンライン販売チャンネルの開拓に着手し、ライブ配信などの手法に割り込むなど、マーケティングの多角化を進めている。高級路線に固執していた同社は、中国市場での優待プロモーションを利用することを選択して価格へのこだわりを放棄した。

しかし、価格面で譲歩したものの結果として経営的には成功しなかった。4月30日に発表した24年1~3月期決算は、売上高が前年同期比2%減の85億6300万ドル(約1兆4000億円)と市場予想の91億2900万ドルを下回った。既存店売上高は、世界全体では市場予想の1%増に遠く及ばない同4%減だった。中国では同11%減で、平均客単価は同8%減だった。

期待外れの財務報告により、同社の株価は5月1日に16%近く下落し、1日の下げ幅としては20年3月以来最大を記録した。(翻訳・編集/柳川)

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