【豊後大野】豊後大野市緒方町で30年以上の歴史がある男性料理教室がある。定期的に開いているのは市内唯一で、参加するのは町内の70代7人。料理の技術だけでなく、栄養や旬の野菜、健康などについても学びながら、和気あいあいと腕を振るっている。
緒方公民館に月1回集まり、毎回4、5品ほど作る。3月はフキノトウとシイタケの天ぷら、ポークビーンズ、ホウレンソウとハムのサラダ、牛乳寒天のパインソースがけに挑戦した。
長年参加している会員も多く、「自宅ではあまり料理をしない」と言いながら手際よく下ごしらえや調理をしていく。栄養士の稙田博美さん(70)=同町馬背畑=が「寒天は混ぜすぎると硬くなりすぎる」などと指導。それぞれの食材が持つ栄養素なども説明した。
1時間ほどで全メニューを完成させ、全員で「おいしい」と感想を言いながら試食。てきぱきと片付けをした。
教室に通い始めて15年になる阿南忠彦さん(78)=同町小宛=は「家でも料理をする。特に子どもや孫が帰省してきたときに腕を振るっている。みんなが喜んでくれるのが楽しみ」と目尻を下げた。
17年前から指導する稙田さんは「基本だけでも覚えておけば奥さんが病気になったときなどに役に立つ」と男性が学ぶ必要性を強調。「どんな献立が好きか食べる人のことを考えることが重要。失敗してもOKなので楽しみながら作ってほしい」とアドバイスした。