「恐ろしい」 アキレス腱が裂け大けが負った男児も 自転車の後輪に足が巻き込まれる「スポーク外傷」 政府が注意喚起

後部座席の子どもの足が後輪に巻き込まれて重大事故になることが…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

子どもとの外出で便利な自転車。6歳未満の場合、幼児座席を使用することで同乗が認められていますが、帰省先や旅先で、幼児座席の付いていない自転車を借りるなどしていませんか? 大きな事故につながる場合もある「スポーク外傷」について、政府広報オンラインの公式X(ツイッター)アカウント(@gov_online)が注意を呼びかけています。

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5歳児が12針縫う大けが 腱が見えるような深い傷

スポーク外傷とは、自転車に同乗した子どもの足が後輪に巻き込まれて負うけがのことです。政府広報オンラインの公式ウェブサイトによると、「多くは軽い擦過傷(すり傷)で済みますが、中には足の甲や踵からアキレス腱など広範囲の擦過傷や皮膚の縫合が必要な裂創(切り傷など)やねんざなどを負う例も」。重大なけがに至った実際の例も紹介されています。

父親が運転する自転車の荷台にまたがっていた5歳男児の例では、少しの距離だったため幼児座席が付いていない自転車を使用して発生。男児は裸足に草履を履いた状態で、左足がスポーク(自転車の車輪の中心部から、車輪のリムに放射状に延びている針金状の部品)に挟まってしまいました。

その結果、アキレス腱の根元から左右に扇状に裂け、腱が見えるような深い挫創もあり、12針縫う大けがを負ってしまいました。外出先などで、自転車を借りる場合は要注意でしょう。

「私も数十年前に挟まれて怪我したことある」の声も

それでは、スポーク外傷を防ぐにはどうすればいいのでしょうか? 同ウェブサイトには注意点が紹介されています。

○同乗させて良いのは6歳未満の子どもまたは未就学児
自転車の二人乗りは道路交通法57条2項に基づいて、原則違反になっています。しかし、一部例外があり、「幼児座席を設けた自転車に6歳未満のこどもまたは未就学児を1人に限り乗車させることができます。幼児2人同乗用自転車の幼児用座席の場合は2人です」。6歳以上の子どもが幼児座席に乗ると、足乗せ部からはみ出してしまい、事故が起こる可能性が高まるのでやめましょう。

○幼児座席を必ず正しく使用する
前述した通り、子どもを同乗させるには、幼児座席の使用が義務になります。一般財団法人製品安全協会が認証した製品に貼付されているSGマークが付いているかを確認しましょう。また、販売店で適切に取り付けしてもらうことが、事故予防につながります。破損や変形、ぐらつきなどがないか、日常的に点検するのも大切でしょう。そして、「こどもを幼児座席に乗せるときは、必ず足乗せ部に足を置かせてください」。

政府広報オンラインが注意を呼びかけた投稿の引用リポストには、「息子の靴先が自転車のスポーク(軸と輪を放射線につなぐ細い棒)に巻き込まれたことがあります……」「私も数十年前に挟まれてけがしたことある。怖いよね」「40年くらい前の話だが、3人乗りしてたら弟の足が前輪に挟まって自転車が激しく横転したことある。今思うと、いつ足を挟んでもおかしくない構造の自転車に乗せられてた。恐ろしい」など、体験者からの声が多く上がっていました。

重大な事故へと発展しないよう、自転車や幼児座席を適切に使用し、交通ルールを遵守しましょう。

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