フォーエバーヤングと激しく接触した米国馬 調教師は騎手の正当性主張「鞭で打たないように…」

ケンタッキーダービーで3着だったフォーエバーヤング(中央)【写真:ロイター】

第150回G1ケンタッキーダービー

米競馬の第150回G1ケンタッキーダービー(ダート2000メートル、20頭立て=2頭取り消し)が4日(日本時間5日)、ケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場で行われ、ここまで5戦無敗だったフォーエバーヤング(牡3、栗東・矢作)は直線追い込むも、優勝したミスティックダン(米国)とは僅差の3着に敗れた。同競走で日本馬歴代最高着順となったものの、最後の直線では激しく接触してきた2着馬騎手の御法が物議に。米専門誌は「調査の必要はない」と同陣営の“言い分”を伝えている。

火を噴くような世界の“叩き合い”だった。11番枠のフォーエバーヤングは出負けして中団からレースを展開。3、4コーナーで一気に進出したときの手応えが怪しく見えたが、先団を射程圏に入れて直線に入ると一気の伸びを見せた。外のシエラレオーネに迫られ、激しく馬体をぶつけられながらの叩き合い。鞍上の坂井瑠星騎手は懸命に手綱をしごいて前を追ったが、先に抜けだしたミスティックダンを捉えきれず、シエラレオーネにも伸び負ける形で入線。長い写真判定の結果、3着に敗れた。

レース後、各メディアなどがSNS上にレース動画を公開すると、シエラレオーネのタイラー・ガファリオン騎手がフォーエバーヤングに馬体を併せ、3度ほど接触する様子が明らかに。メディアやファンの間で話題になる中、米競馬専門誌「ブラッドホース」は「ケンタッキー・ダービーの大激戦を終え、帰国の途につく日本の牡馬」との見出しで記事を掲載。小見出しに「シエラレオーネの調教師であるチャド・ブラウンは、調査の必要性は感じないと述べた」と記し、シエラレオーネのチャド・ブラウン調教師の談話を伝えている。

ブラウン師はガファリオン騎手の御法について「タイラーがやろうとしたのは、馬が本当にリスペクトしている左側の鞭のためのスペースを作り、馬を真っ直ぐに保つことだった」としたうえで「彼は左鞭を使うための道を探していた。しかし、ぶつかり合い、2頭の馬が激しく競り合ったことで鞭が使えなくなった」と接触により、シエラレオーネも追いづらくなったと主張した。

さらに「手綱引っ張ることしかできず、そのことで馬の勢いは削がれてしまった。彼(坂井騎手)の馬にぶつからずに左の鞭を使うスペースがなかったからだ」としたうえで「彼(ガファリオン騎手)はそれもやりたくなかった。だから、彼は私の馬を真っ直ぐにするだけでなく、もう1頭の馬(フォーエバーヤング)を鞭で打たないように道を作ろうとしていたんだ」と妨害しないような騎乗を試みていたとし、ガファリオン騎手を擁護した。

THE ANSWER編集部

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