【阪神】岡田監督は〝データ偏重〟に違和感 「速い球がストレート、それより遅い球が変化球」

岡田監督は感性を重視する

データや数値よりも大事なのは感性よ――。阪神は6日の広島戦(甲子園)が降雨のため中止に。リーグ首位に立つ猛虎だが、2位・DeNAとは2・5ゲーム差。最下位のヤクルトとすら4差と春のセ界は〝ダンゴ状態〟が続いている。岡田彰布監督(66)も「混戦というよりつぶし合いやな。みんな2勝1敗とか1勝2敗とかな。なかなか差が縮まらんいうかな。まだまだそんなんオマエ貯金とか計算する時期ちゃうよ」と泰然自若とした表情で振り返った。

開幕から貧打に苦しみ、10戦連続2得点以下という時期も味わった岡田監督は、今季ここまで打線の固定にはこだわらず、頻繁にオーダーを組み替えながら戦いに臨んでいる。「打てへんからや(笑い)。今年は全体的にいいピッチャーが多いよな。レベルが上がったというかな」。昨季のチャンピオンチームといえど、年々加速する投高打低のトレンドにはやはり手を焼いているようだ。

NPB投手のレベルが著しく向上した要因の1つとして挙げられるのが、トラックマンやラプソード、ホークアイなどの計測機器の飛躍的な発達だ。球速以外にも、自身が投じた球の軌道や球質などが数値によって可視化されたことでデータ分析が容易になり、長所の強化や短所の克服につながっている。

だが選手&指導者として30年近くプロ野球界に身を置いてきた岡田監督は、近年浸透した〝データ偏重主義〟に違和感を覚えているという。

「今は同じような変化球にしても名前が多すぎるやろ。カットボールだとかスライダーだとか。そんなん選手が考えすぎやと思うんよ。それよりも大切なのは感性やんか。もっとシンプルに考えればええんよ」

現役通算で1520安打をマークした岡田監督の打撃哲学は単純明快で「速い球がストレート、それより遅い球が変化球。打てない変化球には最初から手を出さない」ことだという。データ上の数値はあくまで人間が活用するための指標にすぎない。グラウンド上で戦うのは、あくまでも18人の生身の肉体と、その人だけの感性だ。

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