【西武】高橋光成 出遅れの上に未勝利…MLB挑戦に影を落とす〝不発打線〟の悪影響

今季は白星に恵まれていない西武・高橋光成

西武は投打とも振るわず6日のロッテ戦(ZOZOマリン)に1―8と惨敗。同戦は今季5戦全敗となり、両リーグ最速で20敗に到達した。

先発した高橋光成投手(27)は初回からいきなりソトに3号2ランを浴び、先制点を献上。続く2回にも、二死二塁から味方の失策と岡の適時二塁打で2点を失い、4回4失点(自責点2)で3敗目(0勝)を喫した。

高橋は「調子は普通でしたが先制点を与えてしまい、試合の入り方が良くなかったです。また、早い回でマウンドを降りてしまった点は悔しいです」と反省しきりだった。

「目標は30試合、200イニング登板。全ての成績でキャリアハイを目指していきたい」。そう誓った勝負の年だが、現実はキャンプ終盤に右肩の張りを訴えて調整が遅れ、ここまで4試合(24回)で0勝3敗、防御率3・00と出遅れている。

また、チームは深刻な得点力不足という貧打にあえいでおり、多くの先発投手がハイクオリティー・スタート(7回以上を自責点2以内)を達成しても勝てない状況だ。

この貧打ぶりが将来的なMLB挑戦を目指す高橋の移籍に与える影響について、メジャー関係者の一人はこう語る。

「そもそも『肩の状態を完治させてから戦列に戻れているのか』という疑問がある。そして援護点が限られたチーム状況の中で無理な登板を続けていけば当然、故障のリスクにもつながっていく。(カブスの)今永君、(ドジャースの)山本君、(パドレスの)松井君がいずれも前評判通り、あるいはそれ以上の活躍をしていることで、日本人投手の評価は高い。ただ、今年の彼を取り巻く状況を見ていると、ある程度のメジャー契約が取れた場合でも契約に多くのリスクヘッジが掛けられる可能性は高い」

この「リスクヘッジ」とは、ドジャースと12年の長期契約を結んだ山本の契約にも盛り込まれている肩、ヒジの故障時期によってオプトアウト(契約破棄)するタイミングが変動するなどの〝トミー・ジョン特約〟のこと。高校時代から登板過多を懸念されている高橋の場合には、ベースとなる年俸にこの制限が掛けられる可能性も予想されている。

チームの貧打という外的要因の中で、奮投を続けなければならない高橋のリスクに、MLB側からはシビアな目が向けられている。

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