MSXを支え続けたコナミと名作ソフト~永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記~

by 佐々木 潤

永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記

連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 レジェンドパソコンゲーム80年代記」(著:佐々木 潤・レトロPCゲーム愛好会)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

今回取り上げるページは、“MSXを支え続けたコナミと名作ソフト”だ。なお、書籍版では画像はモノクロだが、諸事情により本記事では一部カラーや別の写真を掲載している。


MSXを支え続けたコナミと名作ソフト


MSXシリーズを支え続けたコナミの名作ソフトたちを今ここで振り返ってみる!


MSXといえば、初期の頃は既存のパソコン向けに発売されたソフトの移植作が目立っていたが、肝心のデキはそれほどでもなかった。そんななか、良質のタイトルを次々と供給したのがコナミだ。

有名な『グラディウス』だけでなく『沙羅曼蛇』『ツインビー』『けっきょく南極大冒険』『ハイパースポーツ』『ガリウスの迷宮』『F1 SPIRIT』『激突! ペナントレース』『悪魔城ドラキュラ』などなど……。タイトルを列挙するだけで“遊んだ!”という人も多いはずだ。

この当時のコナミのMSX向けゲームは良作揃いで、“他機種持ち”でも“ファミコン”を所有していても、決して遊べない傑作が揃っていた。そのなかから、いくつかの作品を見ていこう。

コナミのMSX初期タイトルは、ネームバリューを考えてかアーケードからの移植ものも目立った。ほかに、一般的なスポーツゲームの冠に“コナミの”と付して発売されたタイトルも多い。

コナミのMSX参入第1弾は、『わんぱくアスレチック』と『けっきょく南極大冒険』。1984年に同時発売されているが、型番は『わんぱくアスレチック』が若いので、便宜上はこちらを先としておこう。

その後、足かけ7年に渡り作品を出し続け、1990年の『クォース』まで実に約70タイトルをリリースしている。なかでも86年発売の『グーニーズ』からは、それまで以上に質の高いソフトを発売し続け、残念だったゲームがほとんどなかったことが不思議なほど。

アーケードやパソコンから移植する場合、移植先ハードの性能では無理な部分をどのように処理するかが腕の見せどころになるわけだが、コナミはこれが絶妙に巧かった。特に秀逸だったのが、『グラディウス』ではないだろうか。


コナミを代表するゲームもMSXにて大ヒット!


1986年に発売されたMSXを代表するゲームの1本『グラディウス』は、キャラの動きや色数などがアーケード版と比べて見劣りするものの、ファミコン版では削られた演出を盛り込むなど高いクオリティで登場した。

オプションはアーケードの4つに対して2つまでしか装備できないが、レーザーとミサイルが2段階にパワーアップするように変更されていた。レーザーはファミコン版のように短いものではなく、長いラインを実現。2段階パワーアップは、のちのいくつかの作品でも受け継がれるなど画期的な仕様だった。

遊べるバランスにきちんと調整された、MSX版オリジナルの骨ステージが追加されているのも特徴。くわえて、エクストラステージと称したボーナスステージも収録されているなど、ベタ移植に終わらせなかった姿勢が随所に見て取れる。MSXというハードに対する、開発陣の熱の入れようがうかがえるというもの。

オマケ要素として、1スロット目に『グラディウス』、2スロット目に『ツインビー』を挿してプレイすると、自機がツインビーになるという裏技が入っていた。この“2スロット目に別のROMを挿す”というリンクシステムはのちに、さまざまなゲームに影響を与えていく。

レーザーの長さがアーケード版と比べても劣らないレベルだった『グラディウス』。似たような時期に発売されたファミコン版と比べて、そのデキのよさに喜んだ人も多いのでは?静止画での見た目はともかく、完成度は非常に高い。

一部の画像は、書籍版とは異なるものを掲載している場合がございます。

© 株式会社インプレス