コウノトリのひな誕生 上越市 全国で〝最北〟 給餌の様子確認 関係者喜びの声

巣で抱卵や餌運びなどを代わるコウノトリのつがい(6日午後2時40分ごろ、橋爪法一さん撮影)

上越市内で6日、国の特別天然記念物「コウノトリ」のひなが誕生したことが分かり、見守ってきた人らは喜びに沸いている。

同日午後2時30分ごろ、営巣や抱卵を見守ってきた橋爪法一さん(74)は、コウノトリのつがいがカエルや魚を口から吐き出す様子を動画撮影。その動画を兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の研究員に送り、孵(ふ)化したひなに餌を与えている状況と確認したという。上越市も同日、孵化した模様との情報提供を出した。

同公園によると、これまで全国繁殖地域の中で石川県志賀町での誕生を一番北とみてきた。新潟県内では初めてで、上越市内の巣の場所はそれを少し上回り、〝最北〟とみられる。

橋爪さんによると、ひなの姿は確認できなかったものの、吐き出す様子を収めた。つがいの雄は足環(あしわ)をつけており、2020年4月に豊岡で誕生したものと確認されているという。「最初の場所から巣が移り、4月2日に抱卵を確認してから、待ちに待った誕生。コウノトリがこの上越の地を選んでくれたことがうれしい」と喜び、「トキとコウノトリのひながかえった、全国で初めての県になる」と、両方の特別天然記念物が生息することを大きく受け止めている。

同公園の職員は観察の留意点を示し、「生活や作業をしている方以外、近寄って刺激になることは遠慮いただきたい。観察する場合は150メートル程度は離れてほしい」と話している。

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