平安の宮中行事、華やかに 熊本市の代継宮で「曲水の宴」

平安装束を身にまとい、和歌を詠む歌人たち=4日、熊本市北区(代継宮提供)
平安装束を身にまとい、和歌を詠む歌人たち=4日、熊本市北区(代継宮提供)

 熊本市北区龍田の代継宮(漆島孝夫宮司)で4日、平安時代の宮中行事を再現した「曲水[きょくすい]の宴[えん]」があった。華やかな装束を身にまとった歌人らの姿が、見物客の目を楽しませた。

 曲水の宴は庭園の蛇行する小川沿いに歌人が座り、酒杯が目の前を流れ去る前に和歌を詠む。代継宮では平安時代の歌人・紀貫之を祭っており、1050年祭となる2010年から実施している。熊本地震と新型コロナウイルスの影響で3度の中止を挟み、今年で12回目。

 今年の題は「うぐいす」「あやめ」で、歌人役を鶴屋百貨店の福岡哲生社長、熊本放送の坂口洋一朗社長、熊本日日新聞社の河村邦比児社長ら男女7人が務めた。衣冠束帯や十二単[ひとえ]の姿で短冊に筆を走らせたり、酒杯に口をつけたりした。

 代継宮禰宜[ねぎ]の漆島典和さん(60)は「今の時代に平安のゆっくりとした時の流れを感じていただきたい」と話した。(諌山美羽)

平安装束を身にまとい、和歌を詠む歌人たち=4日、熊本市北区(代継宮提供)

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