「悪口を言われそうで、言い出しづらい」子供のピンチ、どう解決する?

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桜散り、新しい生活に慣れる間もなく迎えるゴールデンウィーク。長い休み明けは、もとの生活リズムやマインドに戻りにくく、子供によっては、幼稚園・保育園や小学校への行き渋りが見られたり、体調を崩したりするなど、「五月病」では? と案じる保護者もいるのではないだろうか。

さまざまな悩みを抱えていても、自分の気持ちをうまく表現できず、言語化して誰かに相談をすることが難しい子供たちに、保護者はどのように寄り添えば良いだろうか。発達心理学のプロフェッショナル、法政大学文学部心理学科 渡辺弥生教授監修の「大ピンチ!解決クラブ3 心の育て方」(KADOKAWA)は、小学生の日常生活で巻き起こる大ピンチを解決するためのヒントを、マンガで学ぶことができる1冊。本記事では、同書で取り上げているさまざまな子供たちの悩み事の中から、大人も難しい「言い出しづらいこと」との向き合い方をクイズ形式で解説する。(本記事は、「大ピンチ!解決クラブ3 心の育て方」(KADOKAWA)の一部を抜粋・改編し掲載している。解説イラスト:ナーブエイト、ハセガワマサヨ、Lyon)

お悩み:「悪口を言われそうで言い出しづらい」

仲良しグループで、夜にオンラインゲームをする約束をしたキミ。いつも10時までには寝ているので、9時半ごろゲームを終わりたいと思っています。でもグループのうち、ミキさんとゆうりさんは、いつももっと遅くまで起きてゲームをしているようです。
先日、ゲームを早く抜けた子に対して2人が文句を言っているのを、キミは聞いてしまいました。9時半が過ぎて、だんだんと眠くなってきたキミ。でも、自分だけ早く抜けたいと言い出しにくいとも感じています。さて、キミならどうする?

キミならこの状況で、どんなことを思う? どんな行動をするかな? AかB、それともそれ以外?

A.少し様子を見る
今のゲームのきりがいいところまで…と考えて、しばらく様子を見る。

B.正直に言う
「少し眠くなってきて…」と、正直に伝えてみる。

※AでもBでもない場合、キミなら、どんなことをするか、書いてもOK!

解説:「合わせる」「合わせない」は選ぶことができる!

A.少し様子を見るを選えらんだキミへ
早く抜けたら自分も文句を言われるのではないかと心配になるよね。でも、眠くなるのはしかたがないこと。文句を言われるようなことなのだろうか?と疑ってみることも大切かも。

B.正直に言うを選んだキミへ
自分の状況を、相手に正直に伝えて理解してもらおうとするのはいいことだね。ただ、陰口を言われるかも、という不安もあるかな?できるだけ相手に理解してもらえる言い方にできるといいよね。

合わせるかどうかは場合によって変えていい

人とつながっているのを味わえたり、一緒にやると、苦手なこともがんばれたり。合わせること自体は悪いことではないよ。
合わせたい時は合わせていいし、合わせたくない時は無理しなくていい。どちらも選ぶ自由がある!と覚えておこう。

うまく逃げ道を作っておくのもコツ

先に自分の状況を伝えておくと、ラクになるよ。
たとえば、参加する前に「いつも10時ごろ寝てて、私だけ早く抜けるかもしれないけど、いいかな?」と先に伝えておくんだ。ためしてみてね。


コミュニケーションには正解がない。大人も子供も発達心理学の視点を役立て、お互いの気持ちを語りあいながら解決の糸口を探ってみてはいかがだろうか。

編集部

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