〈不動産投資の物件選び〉騒音・治安など“周辺環境”も超重要…現地調査で見るべき「要チェックポイント」【初心者向け/不動産鑑定士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資の肝は「物件選び」です。物件を購入する前には現地に行き、物件はもちろん周辺環境もチェックすることが大切です。そこで本記事では、浅井佐知子不動産鑑定事務所代表の浅井佐知子氏による著書『0からわかる! 不動産投資超入門』(ソシム)から一部抜粋。購入候補のアパートを現地で調査するときのポイントをわかりやすく解説します。

登場人物

浅井佐知子先生…不動産鑑定士で不動産投資コンサルタントをしている、不動産のスペシャリスト。初心者にもわかりやすく、不動産投資について解説!(以下、浅井)

山田さん・会社員(30代)…株をやっているが仕事が忙しく、株価のチェックがおっくうに。不動産投資をはじめて、趣味に使うお金がほしいと考えている。(以下、山田)

駅から物件まで歩いて周りの環境を確認する

山田:現地に到着しましたね! アパートは、今いる駅から、歩いて10分程度です。

浅井:さっそく向かいましょう。アパートへ行くまでの道のりも調査します。歩きながら住みやすいかどうか、周りの環境を確認します。行ってみないとわからないことがたくさんあります。

山田:実際に歩いてみると、近くにどんな人が住んでいるのか、街の雰囲気も詳しくわかりますね!

浅井:騒音や嫌悪施設がないかも確認しましょう。どうですか?

山田:駅から少し離れたら、子どもが多い住宅街になってきました。静かですね。駅の近くはスーパーもあって便利そうだし、住みやすいと思います。

浅井:そうですね。できれば、日が暮れてからも歩いてみましょう。治安がよいかは夜のほうがわかります。

※1 人が心理的に嫌だと感じる施設。お墓、高圧線鉄塔、火葬場、ゴミ焼却炉、下水処理場、ゴミ屋敷など。

周辺環境のチェックポイント

[図表1]

アパートに着いたら物件を外側から確認する

山田:アパートに着きました! 何から確認したらいいですか?

浅井:物件を外から見ましょう。建物の外観や土地について確認します。

山田:物件の外は掃除がされていて、雑草も生えていないしきれいです!

浅井:建物の外壁に汚れやクラック、チョーキングなどはありませんか?

山田:外壁もきれいです。土地についてはどうやって確認するんですか?

浅井:擁壁(ようへき)や坂、階段に面していないかを確認しますが、このアパートは平地にあるので大丈夫ですね。そのほか、境界標と境界を越える物がないかどうか、アパートが面している道路についても確認しましょう。

山田:わかりました。メモを取りながら確認します!

※2 壁のひび割れやすきまのこと。目で見て確認する。

※3 塗料の成分が粉状になること。太陽光や雨などによって塗装が劣化して起こる。壁を触って粉がつくか確認する。

※4 崖をおおう人工の壁のこと。敷地と道路に高低差があるときや、敷地のうしろに崖があるときなどに設置される。

※5 不動産と不動産の境目を示すもの。境界を確定したらそこに境界標を設置し、そのあと確定測量図が作成される。

物件を1周まわってチェック!

[図表2]

空き室を内見してリフォーム費用を見積もる

浅井:今回は空室が1部屋あるので内見もしましょう。床が傾いていないか、ドアの建付けが悪くないか、雨漏りのシミがないかなどを確認してください。その際、リフォームについても考えましょう。

山田:リフォームの必要性と費用がいくらになりそうかを考えるんですね!

浅井:その通りです。内見同行サービス※6を利用すると正確な費用を見積もることができます。また、買主と売主のどちらがリフォームするのかも確認しましょう。原状回復の範囲は売主が行うことがほとんどですが、設備の追加は引き渡しを受けたあとに買主が行うことも多いです。

山田:内見時にどこを誰がリフォームするのか知っておくことが大切ですね。

浅井:できそうなところは、DIYすると費用を削減できます。リフォーム費用を引いた金額で購入を希望しましょう。

※6:物件の現地調査へ行くときに、同行してもらうリフォーム会社のサービス。費用は会社によって異なる。

今回は2か所のリフォームで5万円程度!

[図表3]

イラスト ©長野美里

浅井佐知子

不動産鑑定士/不動産投資コンサルタント

※本記事は『0からわかる! 不動産投資超入門』(ソシム)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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